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31歳の時にハローワーク経由で職業訓練校に入学することになりました。それまではブラック企業で酷使されて心身共に疲弊したり、とっても厳しい営業の世界で月間ノルマ、半年ノルマの営業成績を達成できず、上司に詰められすぎて鬱になったりして何をやってもうまくいきませんでした。
人生をあきらめかけていたその時に、2ちゃんねるのニュース速報板に“ぼっさん(コテハン名:リボンちゃん)”という人が現れて人気になり、職業はビルメンだと名乗っていたことから、世の中にはビルメンという職業があることを知りました。
ビルメンってなんだろう。ぼっさんという人は工業、技術系の資格をかなり持っているがどうしてなんだろう。ビルメンという仕事には必要だから持っているんだろうか。掲示板ではビルメンは楽勝といわれているぞ。だけど給料は少ないらしいな。
鬱になって治りかけている今なら楽勝といわれるビルメンになったほうがいいのかもしれない。人生をあきらめかけた今なら給与が低いことも我慢できそうだ。もうノルマを持たされる営業はしたくない。ビルメンになろう。
と考えて、ビルメンテナンスという業界や職業をネットで調べました。調べて分かったのはこういうことです。
ビルメンテナンス業界を調べてみた
業界構造:ビルオーナーから物件の管理を委託されるという構造。
給与水準:大手鉄道会社や不動産会社、建設会社、物販会社等の系列系子会社ならば普通の給与水準だが、そうではない地方独立系のビルメン会社は仕事の受注の為にしのぎを削り、受注価額を下げに下げているため、勤務するビルメンの給与水準もかなり低いものになっている。
業務内容:蛍光灯や白熱灯を中心とした“管球”と呼ばれる照明交換、安定器交換、メーター検針、絶縁抵抗測定、管理施設の小修繕、一次対応、小便器や大便器の詰まり対応等々多岐にわたる。(但し、ビルマネジメント業務であれば、現場作業はほとんどない。参考:ビルメンテナンスとビルマネジメント)
勤務場所:ビルメン会社の本社または“防災センター”や“中央監視室”と呼ばれる施設の管理室に勤務する。後者の場合は地下に部屋があることが多く、お日様にあたって事務仕事をすることができない。
勤務形態:物件によって様々。泊まり勤務があって夜勤中に仮眠できて、翌日は明け休になるところもあれば、スーツを着たサラリーマンと同じように9:00~17:30で働いて土日が休みとなるところもある。
残業:ほぼ発生しないが、緊急対応の為に止む無く残業が発生することもある。また、月末のメーター検針業務が立て込んだ場合も残業となる場合もある。
転勤:大手系列系ならば、全国転勤やエリア内転勤があり得る。地方独立系ならば管理物件内の異動がありうる。移動の場所によっては引っ越しが必要なところがあるが、基本的に地方独立系は移動や引っ越しが無いことが多い。
結婚:大手系列系ならばカツカツだが家族を養えるぐらいの給与はあることが多い。地方独立系ならば自分一人だけの給料で嫁さんと子供を養うのは非常に厳しい。共働き等で嫁さんの経済力があれば家庭は持てる。実際に地方独立系ビルメンは独身者が多い。
求められる要件:建築、設備(電気、通信、計装、空調、衛生、給排水)等関連する分野は多岐にわたるので、広い専門性が必要。ビルメン4点セット(第二種電気工事士、第三種冷凍機械責任者、危険物乙種四類取扱者、二級ボイラー技士)やビルメン三種の神器(第三種電気主任技術者、エネルギー管理士、建築物環境衛生管理技術者)、さらには消防設備士や施工管理技士の資格を中心に求められる資格の範囲は広い。
求められる経験:大手系列系ならばビルメン4点セット+ビルメン三種の神器の一つでもあると良い。無くても他に光るものがあれば入れることもある。地方独立系ならば、ビルメン四点セットや経験が無くとも入れることがある。まずは地方独立系で経験を積んで取得資格を増やしてから大手系列系へ転職するのもあり。
よし、ビルメンになろう
このまま前職を退職してから2ヶ月くらい経過しているし鬱を引きずってダラダラしてもしょうがないかなと思い、ビルメンになる気持ちを固めていきました。
職業訓練校というものがあるらしい
「俺ビルメンになろうと思うんだ」と仲の良い友達に話していると、「いきなり面接受けるよりもまずは職業訓練校に行ってみたら」というアドバイスを受けました。今思えばこのアドバイスが今後の運命を分ける完全な分水嶺であり、このアドバイスをこのタイミングで聞けたのは天祐でした。
友達の家に夕方遊びに行って、外食してから彼の部屋でテレビを見ながら日本酒を飲んでいるときだったのを覚えています。
とにかくきちんと就職する為の情報が欲しかった私は「へー、職業訓練校にいくとどう良いの?」と聞きました。
彼曰く
① 職業訓練校には電気コース、空調コース、ビル管理コース等のコースがあり3ヶ月、6ヶ月、1年等各学校によって期間は異なるが、コースに沿ってベテランの先生から教えてもらうことで無理なく必要な資格を取得することができ、卒業するころにはそれなりの力がついている為、就職しやすい。
② そもそも職業訓練校には各コースに関連性の高い企業からの求人が独自のルートで多く集まる。
③ まだビルメン業界に興味を持ったばかりなので、もう少し準備期間を設けていろいろ頭を冷やして考えながら動いたほうが良い。
④ 何より失業保険の給付期間中に訓練校に入れば給付延長という形でそのコースが終わるまで失業保険がもらえるので、お金のことを心配せずに勉強に打ち込める。
ということでした。
なるほどと思いました。全てのアドバイスが心に響いたのですが特に心に響いたのは④のお金に関するアドバイスでした。
当時鬱症状を少し引きずっており、貯金を削って生活費を捻出しており、減りゆく貯金額が気になりつつも欝の症状の影響のせいで、お金をいただけるほど人様のところで満足に働けないと自覚していた為、お金の問題を解決しつつ勉強に集中できる環境が作れるということに非常に希望を感じました。
ちなみに友人は空調・冷凍機器のメンテナンス・サービスマンとして働いていた為、同僚で職業訓練校を卒業した人から詳しい話を聞いたことがあるということでした。
職業訓練校に行きたいので調べてみた
早速自分が住んでいる地区の職業訓練校に関する情報を集めました。自宅から通えそうなところは2件ありました。
1つは、通学時間がちょうど1時間で、1年間のコースがあり、原則として30歳未満の者を募集対象としているということでした。うーん、自分は31歳なので募集対象から外れていることが難点ですがそれ以外は申し分ない条件なので、ダメもとでこの学校にアタックすることにしました。
もう1つの学校は、通学時間が1時間30分で、3ヶ月コースでした。3ヶ月は少し少ないと思いましたし、通学時間に1時間30分もかかるのはいやだなぁと思いましたので、どうしても第一希望に入れなければこちらも考えようというようにしました。
ハローワークで職業訓練校の募集状況について聞いてみた
自分が通いたい職業訓練校を決めると、その職業訓練校が現在募集をしているか否かを確認するために最寄りのハローワークに行きました。
そこで、希望の職業訓練校が募集をしているか確認をしてもらいました。幸運なことに、現在来年度(4月からの1年間)の募集をしており、その学校は原則として30歳未満の生徒を募集しているが、本人の強い希望があれば31歳の入学希望者も受け入れるということでした。
また、自分は欝の症状で退職し、ハローワークに行ったその日に失業保険の手続きをし、約1週間の待期期間の後は60日間の失業保険の給付を受けれるのですが、
その場合に4月から失業保険の給付延長という形で、職業訓練校に通いながら給付を受けることができるかどうかも一緒に確認しました。
回答としては、4月の入校日に給付日数が残っているので、1年間の延長となるということでした(確かこうだったと思います。間違っていたらスミマセン)。
前職の給与から考えると、失業保険は20万円弱になります。実家暮らしで勉強する30代の生活費と勉強にかかる費用としては十分でした。国民年金や健康保険のお金もそこから捻出することができました。これから1年間学生になる身分としては、1年間のお金の心配がなくなったので非常に明るい気持ちになることができました。
面接を受けれることに
ハローワークで職業訓練校の説明を聞いて、申し込み案内の様な資料をいくつかもらいました。その資料の中には、入学前の3月に筆記試験と面接があるので指定日に来校下さいということでした。その日から3週間くらい後のことでした。
その他の記事として
職業訓練校物語③~入学式だヨ!全員集合~
職業訓練校物語④~さっそく退校者が出るの巻~
職業訓練校物語⑤~第二種電気工事士の筆記試験はみんな合格だ!~
職業訓練校物語⑥~クラス内に一瞬現れた不調和の兆し~
職業訓練校物語⑦~え、この時期に?いきなり来た有名企業からの求人~
職業訓練校物語⑧~第三種冷凍機械責任者(三冷)の合格が空調コースのメイン~
職業訓練校物語⑨~第二種電気工事士の技能対策で汗だくやで~
職業訓練校物語⑩~第二種電気工事士の技能試験は全員合格ではなかった~
職業訓練校物語⑪~8月9月は灼熱の実習場での実習地獄なんじゃ~
職業訓練校物語⑫~技能祭(文化祭)があるって知ってた?~
職業訓練校物語⑬~調子に乗って三冷ではなく二冷を申し込んだら先生に激怒されるの巻~
職業訓練校物語⑭~冬休みで怒涛の勉強の日々の疲れを取ったのさ~
職業訓練校物語⑮~年が明けたら就職活動が本格化!皆の就職先は決まったのか?~
職業訓練校物語⑯~感動の卒業式、ありがとう!行ってて良かった職業訓練校~
があります。