ホテル勤務ビルメンの特徴、辛い(激務な)ところ

ビルメンテナンス業務

激務現場と名高いホテル勤務ですが、どんなところが激務度が高いといわれているのか解説していきます。

短期間で多くの営繕をこなさなければならない

どういうことかというと、ホテルというのはほとんどの期間をお客様が使用しています。お客様が使用している時間帯は、物音をたてたりすることができません。もっと言えば、脚立を持ったビルメンが共用部を通過するのさえはばかられるような環境です。

ですから、チェックアウトから次のチェックインまでの間がビルメンがのびのび働ける時間です。ただ、デイユース(日中利用)のお客様がいる施設の場合、その時間でも気を使うエリアもあるでしょう。

私の知っているホテルはチェックアウトが11:00頃まで、次のチェックインは15:00でした。ビルメンが昼の食事時間を削って働いても4時間ですね。4時間で1日分の営繕行為をするとなると結構大変です。

必ず夜勤がある

ビルメンの特徴は、必ず夜勤があるということですね。お客様が宿泊しているので、夜が一番滞留人数が多いとも言えます。ビルの設備は昼夜を問わず不具合を起こしますし、降雨による漏水も昼夜を問わず発生します。ですから、夜の対応人数も昼と同様程度に確保しておく必要がありますので夜勤が発生します。

夜勤があったとしても、次の日が明け勤務ということで出勤扱いでありながら休みであればいいのですが、そうでない場合は次の日は休み扱いになります。休み扱いでありながら、昼くらいまで寝ているのであれば休みはほとんどつぶれることになります。そうなると結構きつい勤務シフトになります。

また、夜勤の次の日が明け勤務となり出勤扱いでありながら休みとなっていても、夜勤自体が年配の方には労苦になり得ます。30代ぐらいから夜勤はきついですよね。一度夜勤をすると、体内時計を戻すのに2日くらいかかります。

本格的な修繕工事をなかなか実施してくれないことが多い

ホテルというのはどこも過当競争ですので、経営はギリギリのところが多いです。ですから、建物の劣化に伴う修繕工事にあてるお金が捻出できないところが多いです。一方で、お客様の利便・満足に関する修繕工事は決裁が早いです。

例えば、従業員休憩室の漏水を改善する為の防水工事にはなかなかお金を出してくれないものの、客室に関する漏水を改善する為の防水工事は年間予算で金額を確保していなくてもすぐに決裁してくれます。

もの凄く身内に関する不具合とお客様に関する不具合への対応の強弱を徹底しています。物件オーナーがお金を出して改善してくれない建物不具合については、ビルメンが1次対応をしなければなりません。上の例で出た漏水対応であれば、本格的な防水工事ができない代わりにビルメンが漏水箇所にビニールシートを設置したり、バケツを設置したりします。

しかし、そういう対応をする箇所が1箇所であればまだ手はまわりますが、物件内のあちこちであれば、その対応だけで手が回らないほど大変です。そして残念ながら、どのホテルでもこういった対応状況がほとんどです。だから、ホテル勤務のビルメンが大変だと言われるんですね。

修繕用具が十分でないことが多い

これも上の「本格的な修繕工事をなかなか実施してくれないことが多い」に通じるものがあるんですが、ホテルは大型の修繕工事を捻出できる経営をできていることが少ないです。ギリギリの経営をしているところがほとんどですから、必要な修繕用具を購入できていないホテルもあります。

例えば、小便器の詰まりには「エアーガン」と呼ばれる圧縮空気をものすごい勢いで排出して、詰まりを解消する器具が必要不可欠なのですが、あるときそれが壊れてもなかなか購入してもらえず、2ヶ月ほど時間がかかったことがありました。
必要修繕用具が購入してもらえなくても、ビルメンには「何とか直してよ」という無言の圧力というかプレッシャーはかかりますので、そのときは配管の詰まりの溶融剤を丸一日流し続けて、配管の詰まりを解消させました。

あんな方法でよく詰まりが解消できたなと思いました。しかし、道具がなくてもなんとかしてよというプレッシャーはホテル勤務のビルメンは良く感じることだと思います。そういった無茶ぶりに対応しなければいけないのもホテルビルメンが激務と呼ばれる理由の一つです。

オーナー会社の職員と同室で勤務することが多い

結構これは隠れた激務要因です。ホテルというのは収益を発生させる客室の面積を極限まで増やした設計をした結果、従業員やビルメン、警備・清掃スタッフの使用する部屋は極力圧縮されていることが多いです。

その結果、どういうことが起きるかというと、オーナー会社側の運営スタッフとビルメン、警備・清掃スタッフが同じ部屋で勤務するということがおきます。オーナー側の社員と同じ空間にいるというのは、結構緊張するものです。

まだまだ、ホテル勤務のビルメンが激務と言われる点はあるかもしれませんが、私が知る限りではこんなところです。

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