職業訓練校物語⑬~調子に乗って三冷ではなく二冷を申し込んだら先生に激怒されるの巻~

職業訓練校

前回の~職業訓練校物語⑫技能祭(文化祭)があるって知ってた?~の続きです。

10月に技能祭という文化祭のようなお祭りを終えて、私が所属する空調コースの生徒はカリキュラムの一環として第三種冷凍機械責任者(通称:三冷)の本試験の追い込みに入ります。

空調コースの生徒は、初夏に三冷の講習を受けて検定試験にも合格していたので、本来ならば本試験で「保安管理技術」と「法令」を受験しなければならないところが、「法令」のみの受験でよくなりました。
本試験は11月の中旬に開催されるので、約3週間試験対策に没頭しました。

法令ってどんなことを勉強するの?

空調機や冷凍機の技術者になるために法令を勉強しなくちゃいけないとして、どんな法律を勉強するのだろうというかたは、過去記事の
高圧ガス保安法を読み込む前に押さえておきたい基本概念、定義
にも書きましたが、ガスボンベなどの冷媒ガスを入れる容器の製造方法、冷媒ガスの充てん方法、冷凍保安責任者の選任方法等々です。

もう少し深く知りたい方は、こちらの記事をお読みください。
高圧ガス保安法1 完成検査:法20条、消費検査(法24条の2)
高圧ガス保安法2 保安教育(法27条)、保安統括者等(各種法規より)、冷凍保安責任者(法27条の4)
高圧ガス保安法3 保安検査(法35条)、定期自主検査(法35条の2)、定期自主検査(冷44)
高圧ガス保安法4 容器の製造の方法(法41)、容器検査(法44)
高圧ガス保安法5 刻印等(法45)、表示(法46)、譲り受けた者の表示(法47)
高圧ガス保安法6 充填(法48)
高圧ガス保安法7 容器再検査(法49)、付属品検査(法49の2)、指定設備の認定(法56の7・施12-1-2・告示6-2・法20の3)
高圧ガス保安法8 冷凍保安責任者の選任等(冷36条)

三冷?二冷?どっちを受験するかを迷った

職業訓練校に通っていた時で既に30歳を少し過ぎていたわけです。卒業後の就職に関する不安は人一倍ありました。

三冷なんか空調コースで勉強する人間は全員取る資格だ。彼らと同じ資格を持っていても、就職のときの書類選考や面接で不利なのではないか。

だとしたら、二冷を取って他の人と差をつけるべきではないか」みたいな考えが自然に浮かんできました。

三冷に関する勉強がスイスイと進み、過去問での得点力も9割を超えていたというのがあって、本試験の4ヶ月前ほど前には二冷の受験を決めました。

そして、先生には黙って二冷を申し込んで申し込みが完了した後に先生に報告しました。放課後の職員室でした。

synpa「先生、実は僕三冷じゃなくて二冷を申し込んだんです。僕は30歳を過ぎてるし、三冷だけを取ったのでは周りの皆と同じです。三冷よりもアピールできる資格を持ちたいと思っていまして。」

先生「何を勝手なことをしているんだ。空調コースのカリキュラムでは全員が三冷を取得することにになっているんだぞ。三冷の合格率も学年主任に報告しなきゃならん。それに、難度が高い二冷に申し込んで、もし合格できなかったらどうするんだ″◇〒★♯¢」

最後の方は聞き取れませんでしたが、結構な剣幕で怒られました。いきなり怒りのスイッチが入ってしまった感じです。

そこは職員室だったので、周りの先生が「何事が起ったんだ?」という目で見てきたので、先生と一緒に実習場に行って話すことになりました。

synpa「先生、私は三冷の過去問の成績が良く、9割くらいとれています。エネルギー管理士は一発で合格できましたし、電験三種も理論、法規、電力は一発で合格できました。二冷も一生懸命勉強しますので、ご協力お願いします。」

先生「そういえば、君は結構勉強するんだったな。意志が固そうだから君の好きなようにしたらいいよ。

過去問が欲しいんだったら言ってくれ。わからないことがあったら聞いてくれ。

ただ、授業時間は皆と一緒に三冷の勉強をきちんとしてくれ。授業中に授業内容とは違う他の勉強をしても良いみたいな風潮ができて他の生徒が真似したら困るからな。カリキュラムから外れるからには絶対合格してくれよ。」

みたいなやり取りがありました。

先生は先生の立場から正論を言いつつもなんだかんだで応援してくれるというのがわかったので、理解を得られて嬉しかったです。先生の寛容な心に応えるためにも絶対受かろうとひたすら勉強しました。

ひたすら勉強したのは10月だったので秋真っただ中でした。この年は勝負の一年でしたし、二冷に合格するためにひたすら勉強していたので秋を感じる余裕がなかったのを覚えています。

いつもだったら、柿がおいしいなあとか、紅葉がきれいだなぁとか、栗がうまいなとかいろいろ秋のイベントで季節を感じるのが大好きなのですが、この年の秋は勉強に明け暮れて余裕が無かったので、全然いつもの様な余裕がありませんでした。勉強でくたくたになった日の夕食にさんまの塩焼きが出て狂喜乱舞したのは覚えていますw

その甲斐あって、二冷の勉強ではスランプを感じることなく合格レベルに達しました。過去問10年のうちどの年を解いてもだいたい8割5分以上は取れていました。後は本番だけです。

さて結果は

詳しい勉強のプロセスは、今後書く予定の第二種冷凍機械責任者合格体験記の方に記載するのでここでは割愛しますが、無難に受かりました。

本試験で問題を解いているときに「あ、こりゃ受かったな」とわかったぐらいの手ごたえでした。やっぱり試験はこれぐらいの手ごたえて突破するのが気持ちいいですね。自己採点では9割くらいとれていました。

何度も確認したからマークミスはしていないだろうし、多分受かってると思った瞬間に体中の力が抜けた感じがしました。と同時に祝勝会をしたいようなテンションの高まりがおこってきました。

とりあえず、その日は勝利の美酒としてウィスキーを飲んで、夜更かしして深夜テレビを見て寝ました。

先生に報告だ

手ごたえ的には良かったことを先生に報告しなければなりません。1限目と2限目の間の休憩時間に報告しました。

synpa「先生、自己採点では9割くらいとれていました。勝手に二冷を申し込みましたが、勉強はしっかりして結果を出したつもりです。」

先生「そうか、おつかれさんでした。でもまだ結果出てないじゃないかw」

と、あっさりしたリアクションでした。

その後、年が明けてすぐの時期に合格通知が家に届きました。間違いなく受かっており、当初の計画通り周囲の二十代達が三冷を取る中で一人二冷を取って年齢によるビハインドを少し取り戻すことができました。

いよいよ本格的な就職活動が始まる

年が明けると三冷や二冷の資格が取得できている為、本格的な就職活動が始まります。訓練校への求人も毎日のように来ました。特に毎年訓練校へ求人を出してくれている企業の求人情報が多かったのを覚えています。

自分が訓練校に通える生活が後3ヶ月も無いことがひしひしを感じられ、やっと人生のやり直しができるという安堵感と、勉強だけに集中できるこの生活ができなくなる寂しさが混同して複雑な気持ちでした。

自分はビルメンテナンス業に就きたかったので、ビルメンテナンス会社の求人を探していました。
年が明けてからの就職活動については、次回の職業訓練校物語職業訓練校物語⑭~冬休みで怒涛の勉強の日々の疲れを取ったのさ~で。

この記事の前には
職業訓練校物語①~オラ、ビルメンに興味を持っただよ~
職業訓練校物語②~筆記試験と面接と私~
職業訓練校物語③~入学式だヨ!全員集合~
職業訓練校物語④~さっそく退校者が出るの巻~
職業訓練校物語⑤~第二種電気工事士の筆記試験はみんな合格だ!~
職業訓練校物語⑥~クラス内に一瞬現れた不調和の兆し~
職業訓練校物語⑦~え、この時期に?いきなり来た有名企業からの求人~
職業訓練校物語⑧~第三種冷凍機械責任者(三冷)の合格が空調コースのメイン~
職業訓練校物語⑨~第二種電気工事士の技能対策で汗だくやで~
職業訓練校物語⑩~第二種電気工事士の技能試験は全員合格ではなかった~
職業訓練校物語⑪~8月9月は灼熱の実習場での実習地獄なんじゃ~
職業訓練校物語⑫~技能祭(文化祭)があるって知ってた?~
があり、この次の記事の後には
職業訓練校物語⑮~年が明けたら就職活動が本格化!皆の就職先は決まったのか?~
職業訓練校物語⑯~感動の卒業式、ありがとう!行ってて良かった職業訓練校~
があります。

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