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職業訓練校

職業訓練校物語⑨~第二種電気工事士の技能対策で汗だくやで~

投稿日:2017年5月14日 更新日:

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前回の記事は職業訓練校物語⑧~第三種冷凍機械責任者の合格が空調コースのメイン~でした。第三種冷凍機械責任者を取る為の勉強と講習会の準備が4月の入学直後に始まりますよということを書きました。

今回の内容は第二種電気工事士の技能対策です。内容的には
職業訓練校物語⑤~第二種電気工事士の筆記試験はみんな合格だ!~
職業訓練校物語⑥~クラス内に一瞬現れた不調和の兆し~
の続きになります。

第二種電気工事士の筆記試験は幸いにして全員合格しました。学校のカリキュラムとして、全員の筆記試験の合格発表以前の、筆記試験の直後から筆記試験を合格しているという前提で技能試験の対策が始まりました。

技能試験の対策は実習場で行った

第二種電気工事士の技能試験というのは、その名の通り“技能”すなわち電気工事の業務でいうところの作業なんですね。
例えば、こんな図を元に

こんな工作をします
(この図及び写真は第二種電気工事士試験の実施団体:一般財団法人電気技術者試験センターのHP上の解答例より引用しました)

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こんな工作をするには、写真に出てくる電気部品がいくつも必要ですし、工作用の器具例えば
<圧着ペンチ>

by カエレバ

 

<ワイヤストリッパー>

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<ラジオペンチ>

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みたいな工作道具(以降“電工工具”と呼びます)が必要です。

ちなみにそれらの材料や工具をセット売りしているのがこういった商品になります

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黒板と机がある座学の教室でこういった電材や工具を出しながら作業するのは狭いし片付かないので、広い実習場で作業をするんですね。そこで複線図の書き方も含めて、実際の作業の練習をやります。6月の中旬~7月の下旬は午後の授業時間中ずっと作業場にいました。

作業場はクソ暑い

何と言っても作業場ですから、断熱なんか全く考慮されていない建屋なわけです。断熱どころか密閉性も怪しいくらいの建屋です。空調なんかはデモ運転用で学習用の冷凍機やパッケージ空調が設置されていますが、学習用です。建屋内を冷やすためのものではないので、もちろん能力は足りません。つまり外気温が無茶苦茶ダイレクトに伝わるわけです。夏暑くて冬寒い作りになっています。

さて、私たちが必死こいて実習場で第二種電気工事士の技能訓練をしていたときは6月の中旬から7月下旬までは初夏でございまして、一年のうちでも相当暑い時期でございました。そして、さらにはその年の夏は例年よりも平均気温が2度~3度高い結果となった猛暑でございまして、それはもう蒸し風呂の様な暑さでございました。例え暑くても作業でございますから、安全の為に長袖の作業着を脱ぐことはできません。皆額に汗を垂らしながら、背中とお尻を汗でべちょべちょしながら、毎日毎日技能試験の練習を繰り返しました。

そんな我々の技能試験の奮闘記録をご覧くださいませ。

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技能試験対策は、複線図を書くことから始まる

技能試験は問題として、簡単な電気図面(単線図)が与えられます。しかし、そのままでは電線や電気部品をつなぐ作業をすることはできず、その単線図を実際の作業内容とリンクした図面(複線図)に書き直すところから始まります。
例えばこんな単線図を
こんな複線図に直してから作業を始めます
(この図及び写真は第二種電気工事士試験の実施団体:一般財団法人電気技術者試験センターのHP上の問題及び解答例より引用しました)

その単線図を複線図に直すにも、電気のルールを知っておかなければできないのです。それで、技能試験対策にも座学というか黒板を見て教科書とペンと紙で勉強することが必要になってきます。

結構自分はこの複線図を書くのに苦労しました。特に電気図面を書く際のルールをつかむのに苦労しました。でも、皆と一緒に苦労するとあーでもないこーでもないと言ってお互いの勘違いのところを是正しながら作業できたので、その点は職業訓練校に入って良かったなと思いました。多分一人で独学で勉強していると結構なストレスになっていたと思います。ありがとう職業訓練校!

1日~3日ぐらいの座学で、晴れて複線図をほぼ完ぺきに書けるようになると作業部分の技能試験の練習が心置きなくできるようになります。筆記試験と違って作業部分の技能試験の対策の時間では各人の個性が出てきて面白い体験でした。

技能試験対策で見つけた面白い面目

ワイヤストリッパーやカッターを一切使わなず、ペンチのみで高速作業を実現した青田君(27歳)

技能試験の対策の作業をしていると結構な頻度で電線の被覆部分(ビニル部分)を1.5cm~2cmほどむく作業が発生するのですが、そのビニル部分の向き方は様々です。
一番早いのはワイヤストリッパーという電線の被覆部分を向くために特化された工具を使う方法だと思います。上で紹介したこれですね。

by カエレバ

 

その工具は学校に5個しかなかったので、ワイヤストリッパーを使えなかった人は電工ナイフを使っていました。これも一般的な工具です。

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これは、手を滑らすと自分の手を傷つけるので大けがの下になります。十分に注意して使う必要があります。これは職業訓練校に空調コースの人数分だけありました。しかしですね、青田君はこの電工ナイフを使いませんでした。びっくりするほどこの工具にこだわってました。

by カエレバ

 

上で紹介したペンチですw。このペンチで、青田君は電線の被覆を引きちぎり、電線を曲げ、それはそれは独特な方法で作業していました。それでいて、クラスで一番作業が早いので驚きです。ヨーイドンでみんなで同時に作業を始めて、いつも皆より5分くらい作業を終わるのが早かったです。

複線図を書き終わるのは皆と一生くらいのタイミングです。その後の作業が早いんですね。自分も彼の真似をしてペンチのみで作業してみましたが追いつけませんでしたw。あれは、コンビニで5年勤めた彼だけの最速作業法の方法論があってこその技です。世の中には、道具的なビハインドがあっても作業能力でひっくり返す奴がいるのだなと学びました。

技能作業が驚異的にできない不器用すぎる松木さん

自称崖っぷち職業訓練生の松木さん(47)。第二種電気工事士の筆記試験はほぼ満点の松木さん。学校に大人の嗜好本を持ってきて、18~19歳ごろの若いクラスメイトに見せて、他のクラスメイトのひんしゅくをかってしまった松木さん。とエピソードを豊富に持ち、何かと異彩を放っていた松木さんでしたが、技能作業でも異彩を放っていました。

それは、致命的に不器用ということでした。よーいドンでクラスメイト約30名が一斉に技能の過去問演習をスタートしても一人だけ時間内に解けません。松木さん以外のクラスメイトは制限時間である40分以内で何とか仕上げるのですが、松木さんは全作業の8割くらいしか終わっていません。最初は誰でも慣れないから遅いのはしょうがないとして、慣れれば早くなるんじゃないかなという気持ちで、皆が見守っていましたが、2回3回と数をこなしていっても一向に早くなりませんでした。

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松木さんもこれはヤバいと思い始めたのか、3回目の過去問演習が終わった時点で苦悶の顔をしていました。
小山君(18歳)と濱田君(18歳)は人柄が良いかわいいさあふれるティーンエイジャーでしたので、松木さんの心配をして「松木さん。どの辺がわかりにくいんですか?どの辺で時間がかかっていますか?」と松木さんの作業が早く終わるように力になってあげようとしていましたが、松木さんは複線図の書き方は完全に理解しており、何かがわからないというわけではありません。また、圧着ペンチの作業が遅いとかスイッチの組み付け作業が遅いとか特定の作業で時間がかかっているわけでもなく、全体的に作業が遅いのです。つまり、究極の不器用です。これを克服するにはひたすら練習をするのが一番良いと思いますが、それにはひたすら根気と弱点を克服するんだという強い意志と一定の時間が必要です。

しかし、松木さんのストレスは作業場の蒸し風呂の様な暑さと、日々の授業と実習による疲労と、技能の過去問演習で全く間に合わないイライラでピークに達していました。

7回目か8回目の過去問演習の途中で、あるとき「あぁぁぁぁぁあぁぁーっ」という断末魔の様な声が聞こえました。そして、工具を机に叩きつける様な「バーン」という音がして、作業場の出入口に向かって全力で走っていく松木さんの後ろ姿が見えました。

松木さんのストレスが限界に達したのがわかりました。全力で走っていくその後姿を見て、何だかしばらく松木さんに会えないような気がしました。

結局、その日は松木さんは連絡が取れず松木さんの工具や電材は皆で片づけました。そして、その次の日もその次の日も松木さんとは連絡が取れませんでした。一週間ほど経った時に先生が朝礼で「松木さんは訓練校を退学したよ。」とあまり多くを語らず告げました。

クラスの皆は結構な衝撃を受けて、何か皆で松木さんの退校を防げなかったのか、不器用すぎる人でも技能試験を突破できるように皆で工夫を考えてあげられなかったのかと省みましたが、既に退校手続きは済んでいるということでしたのでもはや何もできません。

我々も第二種電気工事士の技能試験を10日後くらいに控えていましたし、他にも学ばなければならないことはいっぱいあります。前を向いて多くの目標に向かわなわなければならなかったので、松木さんのことをいつまでも引きずるわけにはいきませんでした。

でも、松木さんは建築設備関連の業界に入らなくて良かったのかもしれません。この業界で働くからには不器用すぎるというのは結構なビハインドです。ビルメンとして勤務するからには、設備トラブルの一時対応で被害を拡大させない為にもしっかりとした対応をしなければなりませんし、空調のサービスエンジニアとして勤務するにしても、トラブル対応を行い機器が動くまで直さないといけません。このタイミングで適性の無い業界から離れることを、軌道修正が出来たとして前向きに捉えるように考えることで松木さんも自分の道で前を向いて歩いて欲しいという話をその日の喫煙所で皆でしました。

さあ、技能試験が待っている

松木さん事件がありましたが、我々も一つの山場が約10日後に迫っています。皆で最後の追い込みをして第二種電気工事士技能試験の本試験の最終調整を行いました。後は本試験を受験するのみです。

職業訓練校物語⑩~第二種電気工事士の技能試験は全員合格ではなかった~へと続く

他にもこんな記事があります
<前>
職業訓練校物語①~オラ、ビルメンに興味を持っただよ~
職業訓練校物語②~筆記試験と面接と私~
職業訓練校物語③~入学式だヨ!全員集合~
職業訓練校物語④~さっそく退校者が出るの巻~
職業訓練校物語⑤~第二種電気工事士の筆記試験はみんな合格だ!~
職業訓練校物語⑥~クラス内に一瞬現れた不調和の兆し~
職業訓練校物語⑦~え、この時期に?いきなり来た有名企業からの求人~
職業訓練校物語⑧~第三種冷凍機械責任者(三冷)の合格が空調コースのメイン~
<後>
職業訓練校物語⑪~8月9月は灼熱の実習場での実習地獄なんじゃ~
職業訓練校物語⑫~技能祭(文化祭)があるって知ってた?~
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職業訓練校物語⑮~年が明けたら就職活動が本格化!皆の就職先は決まったのか?~
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