給与が少ないことで有名なビルメンテナンス業界
ビルメンの業務は売上ノルマも無いし、外回りをすることもありません。ホテル、商業施設、病院といった激務現場は別として一般的にはぬるいとされている業界です。
しかし、ぬるい業界は給与が少ないのが相場です。ビルメン業界もそういった、ぬるくて給与が少ない業界の一つであり、独立系40代で300万円~400万円、系列系40代で450万円~700万円ぐらいが相場です。(もちろん例外はありますが)
給与が少ない理由として、賞与が少ないことが挙げられます。賞与が少ない理由としては基本給が少ないことが挙げられます。そうです、賞与を抑える為に基本給を下げているのです。別にビルメン業界に限った事ではありませんが・・・。
基本給が少ない場合、例えば10万円であれば、残業、夜間手当、配偶者手当、子供手当、現場手当、資格手当等で補填を図ることができますが、一番自分の努力によってコントロールしやすくかつ長期に渡ってベースアップが期待できるのは資格手当です。
資格を取って資格手当を貰おう
ビルメンテナンス業界にいる限り、自己研鑽としての資格取得は欠かせません。よほど順調に資格を取得していかない限り10年、20年単位で勉強し続けるといっても過言ではありません。
資格を取得する動機としては、知識を深めて専門性を向上させるという自己啓発の目的の為と資格手当の目的の為という二つの動機があります。
崇高な動機としては前者ですが、実際多くの人が持つ動機としては後者が多いのではないでしょうか。
ビルメンテナンス会社の資格手当も様々ですが、相場的なところは似通ってくるのではないかと思います。ここでは自分が知っている範囲の資格手当を紹介していきます。以下の表は自分が知っている複数社の平均的資格手当です。
資格手当一覧
資格名称 | 独立系 | 系列系 |
第二種電気工事士 | 無し又は2,000円 | 4,000円 |
第一種電気工事士 | 無し又は4,000円 | 5,000円 |
第三種冷凍機械責任者 | 無し又は2,000円 | 2,000円 |
第二種冷凍機械責任者 | 無し又は4,000円 | 5,000円 |
冷凍空調技士 | 無し又は3,000円 | 4,000円 |
危険物乙類 | 無し又は1,000円 | 1,000円 |
危険物甲類 | 無し又は2,000円 | 2,000円 |
消防設備士乙類 | 無し又は1,000円 | 1,000円 |
消防設備士甲類 | 無し又は2,000円 | 2,000円 |
二級ボイラー技士 | 無し又は1,500円 | 1,500円 |
一級ボイラー技士 | 無し又は2,500円 | 2,500円 |
第三種電気主任技術者 | 5,000円 | 10,000円 |
第二種電気主任技術者 | 10,000円 | 15,000円又は20,000円 |
エネルギー管理士 | 5,000円 | 10,000円 |
建築物環境衛生管理技術者 | 5,000円 | 10,000円 |
一級建築施工管理技士 | 無し | 8,000円 |
二級建築施工管理技士 | 無し | 4,000円 |
一級電気工事施工管理技士 | 無し | 8,000円 |
二級電気工事施工管理技士 | 無し | 4,000円 |
一級管工事施工管理技士 | 無し | 8,000円 |
二級管工事施工管理技士 | 無し | 4,000円 |
二級建築士 | 無し | 10,000円 |
一級建築士 | 無し | 20,000円 |
ビル経営管理士 | 無し | 5,000円 |
ファシリティマネージャー | 無し | 5,000円 |
警備員指導教育責任者 | 無し | 8,000円 |
ビルクリーニング技能士 | 無し | 8,000円 |
清掃作業監督者 | 無し | 8,000円 |
ざざっと書き連ねましたが、相場としてはこれに近しいものがあるのではないでしょうか。
独立系と系列系では資格手当も結構違うものがあります。系列系はビルマネジメント業務を請け負うことがあるので、設備管理員だけでなく警備員や清掃員の業務監理をすることがあるので、警備員指導教育責任者や清掃作業監督者という資格にも資格手当が出ることがあります。
また、系列系は物件の修繕工事も請け負うことがあります。工事の監督をすることもある為、○○施工管理技士という資格に資格手当を支給することがあります。
一方で、独立系はほとんどの資格手当が無いか、数千円の世界です。さすがに、電験三種、エネルギー管理士、建築物環境衛生管理技術者(ビル管)レベルになると、一万円支払われる会社がほとんどですが、独立系は取得した資格を生かして責任者になった場合に資格手当が出ることが多いです。
資格手当の上限は、独立系では聞いたことがありません。責任者として選任されている限りはその対価はいくらでも受け取っていいという考えなのでしょう。一方で系列系は責任者として選任されていなくても資格手当を貰えることが多い為、上限が3万円~5万円ぐらいのところが多いです。
ビルメンとして働くなら、今後の為にも資格を取ろう
資格手当の為だけでなく、今後の自分を守る為にも資格というのは重要です。長い人生ですから、今務めている会社や物件で何があるかわかりません。上司や同僚と人間関係がうまくいかず、あるいは追い込まれて辞めることになるかもしれませんし、急に物件オーナーが変更になり、物件と共に身柄さえも新オーナーに売却されるかもしれません。
どういうことかというと、物件のオーナー変更によって常駐先が無くなったビルメン会社は今までそこに常駐していた自社従業員を今後の常駐先無しのまま養う余力が無い為、新オーナーに「ずっと常駐していたうちの従業員を雇用していただけないでしょうか?その物件のことはかなり知っていますので今後の管理上約に立つと思いますよ。」という提案をします。
新オーナーもそういう従業員は今後管理をする上で重宝する為に、自社で雇い入れたり、自社と提携しているBM会社にその人を雇って、この度取得した物件に常駐させるよう話をするということがたまにあります。
何が言いたいのかというと、今後の自分がその会社でずっと勤務し続けることが保障されているかはわからない。今後の自分の雇用環境がどうなるかは誰もわからないということです。
先が見えないからこそ、どのビルメン会社にも転職できる武器になるよう、資格を取得していくことが理想です。資格の取り方はこのサイトの記事にたくさん書いています。自分と自分が守らなければいけないものをしっかり守る為に、頑張って資格を取りましょう。