【みんなが知りたい】エネルギー管理士に関する12のこと~資格取得編~

エネルギー管理士(エネ管)

電気と熱の分野だとどちらを受験したらよいですか

これに関しては複数の判断基準が考えられます。いくつかの判断基準を踏まえて総合的に判断したほうが良いと思います。

合格率という判断基準

まずは合格率で判断できます。合格率が高い資格ほど難易度が低いといえます。

過去の統計から推定されるのは電気の合格率がいずれも課目も約10%~約15%ぐらいの合格率。熱の合格率がいずれの課目も約15%~25%ぐらいの合格率となっています。

年度や課目によって微妙に違うものの、概ね電気より熱の合格率が10%高いという統計となっています。統計から推定される合格率及びそこから推定される難易度で分野を選ぶというのはありです。

基礎知識という判断基準

受験前に自分がどちらの分野の基礎知識を持っているかで判断するのも大事です。

例えば、電気工事や電験三種を持っている人からすれば電気分野で受けるほうが基礎知識を活かせるので圧倒的に楽です。ちなみにエネルギー管理士は電験2.5種と例えられたりします。

また、ボイラー技士や冷凍機械責任者や学会空調設備士の資格を持っている人からすれば熱分野のほうが容易だと言えます。ちなみに特級ボイラー技士はエネルギー管理士と同程度に難しいと言われているのを聞いたことがあります。

勉強内容という判断基準

どういう勉強内容かというのを事前に調べて、自分がこれから長い勉強生活の中で何百時間も勉強することができそうと思えて興味を持てるような、(さらにいうとその内容を勉強することに耐えれそうな)方を受験分野として選択すると良いと思います。
勉強内容が自分の肌に合うというのは勉強のモチベーションに大きく影響するものです。

自分は熱分野で受験しようと思っていますが、熱力学と流体力学が理解できそうもなく不安です

熱の分野には熱力学と流体力学のように鬼門と呼ばれる難しい分野があると聞いたことがあります。しかし、それを避けて電気分野を受験することにしても電気は電気で難しい分野がありますので、結局難しい分野からは逃げられず、その難しい分野を克服する力が求められます。

難しい勉強範囲を克服するために私がおすすめするのは

  • 記憶事項の暗記カード化
  • 理解が難しい箇所のまとめノート化(マインドマップの応用)

です。

詳しい内容は過去記事の
どんな試験とも抜群に相性が良い勉強法~カード式勉強法~
この勉強法で合格!エネルギー管理士(エネ管)[電気]合格体験記2
で記載しているので是非ご覧下さい。

高卒で取れる資格でしょうか

特に大学で必要な学力が求められるものではないと思います。優秀な成績でありながら家庭的な事情で進学せずに高校卒業後に働かれている方もいるので、高卒かそうでないかということは合格可能性に影響しないのではないかと思います。

ただし、それはある個人にスポットライトを当てた場合の話で、一般的には高校卒業で社会に出て働き始めた人の母集団と、大学まで進学した人の母集団とを比較した場合、後者の母集団の方が勉強は得意でしょうから後者の方が合格率は高いでしょう。

だからといって高卒だと取れないというわけではありません。結局必要な勉強量をこなして、試験に必要な知識を体系的に頭に残せるかというそこだけの差になると思いますので、それをできるかどうかです。

文系でも取れる資格でしょうか

文系でも取れます。私は文系で電気の実務経験無しで一発合格しました。上の「高卒でも取れるでしょうか」に似ていますが、結局は個人的な資質や勉強量によります。

数学が得意な文系か、数学が苦手で数学から逃げた文系かによって難易度は大きく異なり、数学から逃げた文系の人が受験する場合は相当難易度は高いと覚悟してください。

繰り返しになりますが、結局は必要な勉強量をこなせるかということになります。頑張って時間を作って、やる気を保って必要な勉強量をこなしてください。

過去問を回すだけで取れるのでしょうか

過去問を回すというのは、何度も解きなおすという意味ですが、残念ながらその方法だけではエネルギー管理士に合格することはできません。

参考書・問題集を買うお金を節約したい気持ちはわかりますが、そこは避けては通れません。

何より、良い参考書を読み込んで理解していなければ過去問の解説を読んでも意味が分からないと思いますし、必要な公式も十分に頭に入りません。

そんな状態で試験を受けても合格はできませんので、同じ課目を翌年以降に再受験することになります。そうなるとまた高い受験料を払わなければなりませんので当初意図していた“お金を節約する”という目的は達成できないことになります。

急がば回れと昔から言われているように。結局王道と呼ばれやり方を効率的にこなすのが一番良いのだと思います。

過去問題集で解説が良いものを教えてください。



オーム社のこの過去問題集をお勧めします。
・12年分の過去問が掲載されていること
・1ページ内で縦2分割されていて、1ページ内の掲載情報量が多いこと
がお勧めの理由です。

エネ管(電気)の勉強のみで電験三種は合格できますか

エネ管(電気)の勉強のみでは電験三種合格は厳しいように思います。

両方同時に受験した自分の経験ですが、エネ管の方が各テーマの掘り下げ方が深く詳しいように思います。

一方で、電験三種の方は一言でいうと浅く広く出題されることが多いです。

ですから、エネ管(電気)の勉強だけでは浅く広い電験三種の出題内容に対応できないので、合格は厳しいのではないかと思います。
ただ、厳しいと表現しているように無理ではないと思います。その年の出題内容がうまく自分の勉強した内容と合致すれば合格の可能性はありますので、あくまで厳しいという表現になります。

高校の物理の勉強がエネ管に役に立つのでしょうか

あまり効果はないと思います。高校の物理の勉強分野は電気分野にも熱分野にもまたがっています。
電気分野にしろ熱分野にしろ高校物理の教科書や参考書で勉強しようとするなら、自分の選択分野に合致した章のみ取捨選択して勉強する必要があります。

さらに言えば、高校物理の勉強内容は凄く基礎的なものですから、それらをきっちり勉強したからといってエネルギー管理士の問題の得点力がつくことにはなりません。

基礎知識をすでに持っているということで役には立っていますが、それだけで合格力がついているわけではないことにご注意下さい。

エネルギー管理士の問題の得点力をつけるなら、エネルギー管理士の参考書で勉強するのが一番良いと思います。

高校の物理の教科書は、エネルギー管理士の参考書が難解でわからない時に調べるような使い方をするとよいと思います。

エネ管の難易度的には何大学レベルなのでしょうか

これは、質問がざっくりしすぎていると思います。同じ大学中でも学部によって偏差値は大きく違いますし、勉強開始時点の予備知識の有無によっても難易度は大きく変わります。

例えば、
・電験三種保持者である
・特級ボイラー保持者である
・高校数学が得意だった
・高校物理が得意だった
みたいなアドバンテージがあれば、難易度は下がります。

ということで、エネルギー管理士の難易度を大学に例えるのは無理です。

ラプラス変換とは何でしょうか、言葉の意味まで知る必要がありますか

知っておいた方が良いと思います。公式を当てはめたり、式展開をする際に自分が何をしようとしているのかを知っておかなければ理解が浅くなり、応用が効かなくなります。

ラプラス変換とは時間tの関数と複素数sを行き来するための変換です。
私達が実際に生きているこの世界は,時間の経過によって様々なものが変化するため,時間の関数となって表現できるものが多いわけです。

様々な微分方程式などを解こうとすると,処理がめんどうな数式が現れます。

処理がめんどうならば,それを簡単に処理できる形に変形できればよいのではないかと考えた方がいました。

つまり,時間tの関数のまま計算するととても複雑になるため,それをラプラス変換という変換を用いて複素数sの関数で表すことによって計算を簡単にしているというわけです。

その変換がラプラス変換ということ。

ラプラス変換を宇宙一わかりやすく解説してみるより引用

エネ管取得に微積分の知識は必要でしょうか

微積分の知識は、電気分野だと上述のラプラス変換で使いますし、熱分野だと電熱の勉強をするときに出てきますので、理解を深くするうえで微積分の知識はあった方がいいと思います。


今ではやさしく解説されたこんな本もありますので、1冊こんな本を傍らに置いておくとよいと思います。

実務経験証明書はどこでどう書いてもらったのでしょうか

実務経験証明書は物件オーナーしか発行できないと思っている人がいますが、そうではありません。私の知人でエネルギー管理士の試験に合格した後、いろんな物件の省エネ診断の業務を1年経験したのので、その実務経験をもとに自分の所属する会社に実務経験証明書を発行してもらっていました。

もちろん、一物件での省エネ業務を一年経験した場合はその物件の物件オーナーに実務経験証明書の発行を依頼し、発行してもらうこともあります。

これはケースバイケースで、自分の実務経験を証明する会社に実務経験証明書の発行を依頼するのが一番だと思います。

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