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職業訓練校

職業訓練校物語⑩~第二種電気工事士の技能試験は全員合格ではなかった~

投稿日:2017年6月9日 更新日:

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職業訓練校物語の10回目になります。早いものでもう10回になったんですね。当時の記憶を思い出しながら少しずつ書き起こしていますが、懐かしさで一杯で、センチメンタルな気持ちになりながら書いています。

30歳過ぎて転職活動をする為に職業訓練校に入り、自分の条件に合う会社に就職できるのか、結婚することができる経済力をつけることができるのか、自分に社会で通用するくらいの技術は身につくのか、自分はどうなってしまうのか、そういう不安な気持ちを持ちながらも、カリキュラムにそった勉強に一日中集中できる自由な環境があり、不思議な環境でした。

もう二度と職業訓練校に入ることはないでしょうし、できれば入らないに越したことはないですがw、自分の人生の貴重な一ページですし、幸運なことにも今の時代はこうしてwebページというものがあり、webページはパブリックな空間であり、webページに書くことで、いろんな人に見てもらったり、自分の子や孫の代に残せるようになっています。

将来的に、「お前のおじいちゃんが職業訓練校に行った記録だよ。結構苦労したみたいだよ。」なんて形で孫達が見てくれたらうれしいですし。

自分が仕事をリタイヤして、若いころを振り返りながらお酒を飲むときに思い返して思い出に浸る材料になっていればいいかなと思います。

ちょっと話題がそれましたが、今回は第二種電気工事士の技能試験(実技試験)の本試験についての記事です。
内容的には
職業訓練校物語⑤~第二種電気工事士の筆記試験はみんな合格だ!~
職業訓練校物語⑨~第二種電気工事士の技能対策で汗だくやで~
の続きになります。

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技能試験本試験の前日

前日も今までと変わることなく、授業の時間帯に実習場で技能試験の過去問題をこなしました。

職業訓練校では電線やリングスリーブをはじめとする電材を大量に用意してくれていたので、この日まで何度も何度も練習することが出来ました。

多分市販されている電材で同じ練習量分を用意すると数万円ぐらいするのではないかと思えます。

最後の過去問演習は約20人のクラスメイト全員が、時間内に複線図を書いて大きなミス無く作業を終えることができました。全員が合格レベルになっているのがわかりました。

その日の作業が終わり、実習場の片づけまで終わったところで先生が言いました。

明日はいよいよ技能試験となりました。過去10年分の公表問題をこなし、相当の実力が付いたのではないでしょうか。

今日の演習結果を見ても全員が合格レベルに達しているのがわかると思います。

後は本番で落ち着いて作業をすること。つまらないミスをしないことです。明日は自分の実力を出し切って下さい。」

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と応援の言葉をくれました。

その日の放課後は、先生が付き添ってくれて、納得いくまで自主練習したい生徒が居残り練習をしていました。8人くらいだったと思います。

覚えているのは、浜田君(18)、青田君(27)、梅本君(27)、永渕君(18)、小山君(18)がいたことです。各人が思い思いに自分が手ごたえを感じられなかった過去の公表問題の演習を1~2題こなしていました。

18:00頃になってそろそろ帰りましょうと誰かが言って、皆で駅に向かっているときに明日の本試験に関する自信の話になりました。

青田「会場で何人いるかはわからないけど、俺は会場で一番早く終わらせて、一番に退出して見せますよ。」

梅本「早く終わることが、目的じゃないんだから、目的を間違わないようにしないと。」

青田「わかってますよ。でも俺って完璧にできるから、何か普通に完成させる以上の目的を持っていないとモチベーションを保てないんですよ。」

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永渕「青田さんは、余裕があっていいですね。僕は緊張しやすいから、明日は苦手な複線図がきちんと書けるか心配です。そこでつまづいちゃうと作業の方が終わらないかも。僕は青田さんの様に作業が早くないので。」

青田「今から言えるのは、落ち着いて取り掛かって、うまくいかなくても深呼吸して自分を保て、決してパニックになるなってことだよ。それくらいはできるだろ。」

永渕「はい。そうですね。今更あがいても何がどうなるわけでもないですしね。とにかく落ち着きます。」

青田「泣いても笑ってもあと1日なんだ。今日はじたばたせずに、早めに寝て体調を整えよう。そして、明日本試験が終わったらみんなでおいしいもの食べに行こうぜ。」

みたいな会話をしながら帰りました。皆いつもよりも口数が多かったです。なんだかんだ言っても皆明日の本試験に緊張していたのだと思います。

不安な気持ちを言葉にして、語り合うことで何とか不安な気持ちを払拭させようとしていました。

本試験当日

当日は緊張のあまり、朝6時には自然に目が覚めてしまいました。それ以上寝れる気もしなかったので、複線図の書き方の復習をして朝食を食べて家を出ました。

試験会場の最寄りの駅に到着して、歩いていると昨日緊張しやすいと話していた永渕君と彼と仲良しの小山君が歩いていました。

synpa「おはよう。昨日はよく眠れた?」

永渕「ぼ、僕は全然自信が無いから、夜遅くまで過去問題を今年の公表問題を練習していて、あ、あまり眠れませんでした。」

もともと、永渕君は滑舌が悪いのですが、前日の睡眠不足により朝からかなりの疲労が溜まっており、頭があんまり回っておらず、山下清さんのようなしゃべり方になっていました。

山下清

synpa「そっか、前日にも結構練習したんだな。なんか疲れてるのが伝わってくるから、教室に入ったら少しでも休んだ方がいいよ。1分でも目をつむっているとかなり脳が休憩できるらしいよ。」

永渕「あ、ありがとうございます。頑張ります。」

正直かなり心配でしたが、泣いても笑ってもあと1時間くらいで技能試験が開始されますので、できることは限られています。彼の本番強さを信じるしかありませんでした。

試験会場に入ると、自分の教室は150人くらい収容できるサイズの教室でした。席について周りを見回すと、職業訓練校の電気コースで見かけたことのある顔が数名いました。話しかけようかと思いましたが、試験に集中しようと思い直したので、やめておきました。

公表問題を見返していると時間になって試験官が数名入ってきて、試験に関する案内と注意事項を読みあげ始めました。

「あぁ、いよいよ始まるんだな」と思うと、今まで職業訓練校で夏の盛りに死ぬほどこなした技能問題の演習の量と灼熱地獄の日々が自然に頭に浮かんできました。

後は学んだことを出し切るだけだ。慎重にかつ集中して素早く作業することを心がければ合格できると自分に再度言い聞かせました。

周りを見回すと、クラスメイトが数名いるようでしたが、もはや話すことも出来ないので、お互いの健闘を祈っていました。

材料と問題用紙が配られて、「それでは始めてください」の声を合図に技能試験が始まりました。まずは複線図を書いて、慎重に端っこから組み立てていきます。

時折腕時計を見ますが、あっという間に10分、20分と経過していくのでとても時間が早く経過するのを感じました。やっぱり超集中状態になると、時間をワープしているように感じるな等と焦りながらも考えていました。

一番気を付けたのは、リングスリーブを圧着ペンチで潰すときのサイズ違いについてでした。

必ずリングスリーブをつぶすときは2回サイズの確認をしました。間違ってないか慎重に確認しながら全てのパーツと配線を組み終わり、ホッとして時計を見ると10分くらい余っていました。

これが早いのか遅いのかわかりませんが、周りを見渡す余裕ができたので、前方を見ていると指から血を流しながら教壇の試験官の方に駆け寄っている人がいました。多分電工ナイフを使っているときに手が滑って、指を切ってしまったんだと思います。

試験官も、想定内だったようで、すぐに絆創膏を取り出して、貼ってあげていました。(多分。遠目からなのであまり見えませんでしたが。)

おそらく第二種電気工事士の技能試験ではこういった怪我が日常的に起こっているので、試験開催側で応急手当できる救急用具を用意しているのだと思います。

自分の作った結線の最後の確認をしていると、試験時間が終わり「それでは止めて下さい」の声を合図に技能試験が終わりました。手ごたえ的にはまぁまぁでした。後はミスが無いことを祈るだけです。

試験教室を出て、駅に向かっていると梅本君がいました。

synpa「どうだった。ミス無くできた?」

梅本君「多分出来たと思いますが、時間が足りなそうになったので焦りました。今めちゃめちゃ疲れてます。もうくたくたですから早く帰って寝たいです。」

synpa「そうだね。早く帰って疲れを取ろう。また明日から、実習の日々が始まるからね。」

みたいな会話をして、駅に向かって解散しました。

最寄りの大きな駅の駅ビルで、ウィンドウショッピングをして帰りました。普段行かないところで、流行りの服や雑貨、気になる本などを見て気分転換をして帰りました。

合格発表の結果

7月の下旬に技能試験が終わった後、9月の初旬に合格発表がありました。ネットで発表があった夜に、それぞれが家で合格発表を見て次の日に教室で先生に発表するというスタイルでした。

1限目の挨拶が終わると、早速先生が全員の合否を聞いていきました。
青田:27歳・・・合格
中田:27歳・・・合格
永渕:18歳・・・合格
浜田:18歳・・・合格
森:18歳 ・・・合格
水内:18歳・・・合格
小山:18歳・・・合格
都:18歳 ・・・合格
原口:29歳・・・合格
梅本:30歳・・・合格
浜本:26歳・・・合格
木根:25歳・・・不合格
松山:25歳・・・合格
吉本:25歳・・・合格
福嶋:26歳・・・合格
荒川:24歳・・・合格
坪内:27歳・・・不合格
優山:29歳・・・合格
木田:22歳・・・合格

何と結果は、二人不合格。二人が自分で行った敗因分析によると、一人は焦って途中で結線を失敗してやり直していたら間に合わなかった、そしてもう一人はリングスリーブを圧着ペンチで潰すときにサイズを間違えて、間違ったサイズの刻印がされてしまったことが原因ではないかということでした。

筆記試験は全員が合格し、勢いに乗って技能試験も全員合格だと淡い期待を持っていましたが、そうは問屋が卸さなかったようです。

落ちた二人は20代半ばなので第二種電気工事士を取得して、ぜひ就職活動に備えて欲しかったのですが、過ぎてしまったことはどうしようもありません。

これからは気持ちを切り替えて11月の第三種冷凍機械責任者試験の合格に全力を尽くして欲しいと思いました。

二人とも相当ショックだったみたいで、元気のない顔にその心境が現れていました。

それを察してか、休み時間にそれぞれの仲がいい友達達が落ちた二人を囲んで励ましの言葉をかけたり、「今日残念会しようぜ」と企画したりしていました。

私は残念会には行きませんでしたが、次の日の二人の顔がシャキッとしていたので、うまく気持ちが切り替わったのだと思います。

何はともあれ、延べ約5か月間にわたる第二種電気工事士への挑戦の日々にピリオドが打たれました。

次の目標は第三種冷凍機械責任者試験であり、その対策と並行して学校の授業ではシーケンスと溶接、そして冷凍機の操作を学ぶ日々が始まっていきます。息つく暇がない勉強詰めの日々に食らいつくつもりでついていっていました。
職業訓練校物語⑪~8月9月は灼熱の実習場での実習地獄なんじゃ~へと続く

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