From West New(旧ビルメン案内所)

ビル管(ビル管理士)、エネ管(エネルギー管理士)、電験(電験三種)持ち(ビルメン4点セットと消防設備士も取得済)が資格の取り方とビルメン業界あるあるを解説するブログです。独学で慶應に入った勉強テクニックを余すことなく公開しています!

フロン排出抑制法 法律

フロン排出抑制法 電子報告システムの概要

投稿日:2016年11月10日 更新日:

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先日、フロン排出抑制法の漏えい量報告方法説明に参加し、電子報告システムについての説明を受けました。会場で配布されたテキストでは少しわかりにくいのではないかと感じたので、自分の理解をこちらで解説したいと思います。
(この記事では、電子報告にフォーカスし、紙での報告を含めた報告の仕組みや方法については記載していません。)
これが、会場で配布された資料の中に何度も出てくる電子報告システムに関する全体像の模式図です。
資料はほとんど白黒で配られたのですが、これだとあまりピンときません。
これに色を付けてみました。これだとどうでしょうか。

さらに、自分の理解と注釈を加えてみました

いろいろ、見たことある言葉や見たことない言葉が掲載されていますが、自分としてはだいぶわかりやすくなった気がします。配られた資料の中に冊子があり、その1冊の中でも多くのレイアウトで概要図が出てきて混乱しますが、自分で注釈と追記を入れた、この概要図が一番わかりやすいので、これをベースになぜわかりやすいのか、そもそも電子報告とはどういう仕組みなのかを解説したいと思います。

基本用語の説明

では、見たことのない専門用語について一つ一つ見ていきましょう。

管理者

管理者とは、原則として当該製品の所有者が管理者とされる。ただし、契約書等の書面において保守・修繕の責務を所有者以外が負うこととされている場合はその者が管理者となる。
※保守点検、メンテナンス等の管理業務を委託している場合は、当該委託を行うことが保守・修繕の責務の遂行であるため、委託元が管理者となる。(つまり、原則的には物件オーナー側が管理者となりビルメンは管理者とはならない。)

充填回収業者

これは、その名のとおりです。冷媒ガスを回収、充てんした空調専門業者が充填回収業者となります。ビルメン会社そのものであったり、さらにその下の空調専門業者であったりとケースバイケースだと思います。

再生業者

これは、冷媒ガスの再生業者という意味です。回収した冷媒ガスを不純物を除去して再生処理してすることで再利用可能な純度の高い冷媒ガスにすることができます。この業務を専門に行っている業者を(冷媒ガスの)再生業者といいます。

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破壊業者

こちらも、冷媒ガスの破壊業者という意味です。回収した冷媒ガスが既に製造されていない種類のものである場合等何らか再生処理しないでそのまま捨てたい場合は、環境に与える影響の少なくなるような処理をしてから専門的な廃棄処分を行います。この行為を破壊といい、この業務を専門的に行っている業者を(冷媒ガスの)破壊業者といいます。

情報処理センター

国から認証を受けたフロン類に関する点検や漏洩などに関するデータを取り扱う組織。充填回収業者と管理者の間に入り、データの一元管理、蓄積等の役務を提供する。

情報処理センターを活用する上での手順と特徴

充填回収業者 管理者
ステップ1 会社情報等を入力する(無料) 会社情報等を入力する(無料)
ステップ2 充填量、回収量を入力する(有料:1回税別100円)  ー
ステップ3  ー ・充填量、回収量等が通知される
・記録、保存、算定漏えい量に活用できるCSVデータがダウンロード可能(無料)

※事業所、支社、本社等をシステムで紐付けを行った場合は、情報の連携ができる。(無料)
※充填回収業者→情報センター→管理者という流れで、情報センターを経由し点検記録や漏えい報告をすることにより、充填業者は紙による証明書の発行が不要になる。管理者も紙による管理から解放される。

RaMs(冷媒管理システム)

一般財団法人 日本冷媒・環境保全機構が提供するwebサービス。情報処理センターの機能に加え、ログブックと呼ばれるフロン類の電子的な点検記録管理機能等も有する。しかし、サービスは有料なものが多い。

〇〇証明書

冷媒の充填、補充、再生、破壊等の業務を実施した専門業者が、受注先に対して交付する、作業実施の報告書。これらの証明書の交付は法定されている。

報告書作成支援ツール(v2.0)

フロン排出抑制法に関する行政への報告書が作成できるexcelブック(マクロ有効)。関数やプログラムが組み込まれており、空調機器の情報や漏えい量を入力することで、自動的に報告書書式に整えてくれる。入力は手入力でもよいが、情報管理センターから出力された漏えい量のデータをインポートすることもできる。ブックの配布及び利用は無料。

いかがでしょうか、専門用語にフォーカスして数行で解説してみました。さらに細かい各内容については、下記で後程説明します。
次は、模式図の見方です。もう一度模式図を掲載します。

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模式図の見方

・図の中にあるについては、空調機器の点検記録や冷媒の回収、充填、再生、破壊、漏えい量等のデータを入力、出力、参照などができるという相互作用性の意味を持った矢印。
・冷媒の充填、補充、再生、破壊等の業務を実施した専門業者が、受注先に対して交付する、作業実施の報告書。これらの証明書の交付は法定されている。
・充填回収業者から、情報処理センターを経由して、漏えい量データを受領することもできる。(紙面での受領に代える方法として)
・一般財団法人 日本冷媒環境保全機構が提供するRaMs:冷媒管理システムは管理者及び充填、回収、再生、破壊の業者がアクセスでき、データを共有できる。また、情報処理センターの機能に加え、ログブックと呼ばれるフロン類の電子的な点検記録管理機能等も有する。
・各空調機器の漏えい量のデータを、報告書作成支援ツール(v2.0)に入力して報告書を作成する。
・報告方法は、①書面による提出、②磁気ディスク(CD等)による提出、③電子申請による提出の3方法のうち、いずれかの方法。

各サービスの詳細

情報処理センター

情報処理センターとは 国から認証を受けたフロン類に関する点検や漏洩などに関するデータを取り扱う組織。充填回収業者と管理者の間に入り、データの一元管理、蓄積等の役務を提供する

情報処理センターを活用する上での手順と特徴

充填回収業者 管理者
ステップ1 会社情報等を入力する(無料) 会社情報等を入力する(無料)
ステップ2 充填量、回収量を入力する(有料:1回税別100円)  ー
ステップ3  ー ・充填量、回収量等が通知される
・記録、保存、算定漏えい量に活用できるCSVデータがダウンロード可能(無料)

※事業所、支社、本社等をシステムで紐付けを行った場合は、情報の連携ができる。(無料)
※充填回収業者→情報センター→管理者という流れで、情報センターを経由し点検記録や漏えい報告をすることにより、充填業者は紙による証明書の発行が不要になる。管理者も紙による管理から解放される。

RaMs(冷媒管理システム)

RaMs(冷媒管理システム)とは 一般財団法人 日本冷媒・環境保全機構が提供するwebサービス。情報処理センターの機能に加え、ログブックと呼ばれるフロン類の電子的な点検記録管理機能等も有する。
RaMs(冷媒管理システム)の機能
基本機能
(情報処理センター機能)
・充填、回収量を情報処理センターへ登録
・算定漏えい量集約データ出力
点検・整備記録簿
(ログブック)
・ログブック(簡易点検を含む)の記録と保存
・ログブックへの充填、回収量の記録と情報処理センターへの登録を兼用(1回の入力で同時に登録が可能)
行程管理票起票・交付・保存 ・機器廃棄時の工程管理票管理
・機器整備時の回収冷媒と行程管理票の連動
破壊・再生証明書の起票・回付・保存 ・行程管理票のF票より連動
RaMs利用のメリット
1.漏えい量の算定が簡単 煩雑な集計作業から解放される。ワンクリックで国指定の様式でプリントできる
2.機器管理リストで一括管理 事業所ごとの機器管理リストを表示でき、点検時期や漏えい量が簡単に確認できる
3.最大三階層で事業所を統括管理 支社支店を統括管理する本社担当者の作業を大幅圧縮
4.ログブックを効率的に電子的管理 自作によるログブックの記録、管理から解放さ、効率的に電子的に管理できる
<ログブックの費用>
初期開設:500円(税別)/台(シール付600円(税別))
また、1年を超えてデータ登録を行うときには更新料として100円(税別)がかかる。
※ログブック利用料金イメージ:機器を1,000台所有している管理者であれば、初年度600,000円、次年度以降100,000円/年かかる
5.システムで機器の廃棄や引き渡しもできる 機器の廃棄に関わる行程管理票の起票などができ、再生・破壊証明書の回付もうけつけることができる
6.必要書面の一括管理 書類の交付、保存の全てを電子的に行うことができ紙による保存・管理から解放される
7.充填回収業者によるデータ入力が可能 法律で規定された「情報処理センター」への登録を含め、整備を行った充填・回収業者がいつでもどこでも入力可能
8.管理担当者が代わってもスムーズな業務移行 担当者の異動、退職時の引き継ぎもRaMsを利用していれば簡単、スムーズに行える

報告書作成支援ツール(v2.0)

報告書作成支援ツール(v2.0)とは フロン排出抑制法に関する行政への報告書が作成できるexcelブック(マクロ有効)。関数やプログラムが組み込まれており、空調機器の情報や漏えい量を入力することで、自動的に報告書書式に整えてくれる。入力は手入力でもよいが、情報管理センターから出力された漏えい量のデータをインポートすることもできる。ブックの配布及び利用は無料

・この報告書作成支援ツール(v2.0)に手入力して、漏えい量を管理することができる(私がそうでした)
・情報管理センターからエクスポートされたデータをインポートすることもできる

電子報告システムの利用パターン

電子報告システムと一口で言っても、報告書作成支援ツール(v2.0)だけを使って最小限の電子報告をする方法から、RaMs:冷媒管理システムを使ってどっぷりと電子システムにつかる方法まで方法はいくつかあります。代表的な3パターンを抜き出して図示してみました。

①報告書作成支援ツール(v2.0)だけを使って最小限の電子報告をする方法


冷媒充填回収業者から、紙面で充填報告書や回収報告書を受領し、オフィシャルに配布されている報告書作成支援ツール(v2.0)に漏えい量のデータを手入力する方法で使って、報告書作成支援ツール(v2.0)のデータを電子報告システムサイトへアップロードする方法です。無料で完結できます。

②情報処理センターと報告書作成支援ツール(v2.0)を利用する方法


充填回収業者が、紙面での充填証明書、回収証明書の発行に代えて、充填量、回収量のデータを情報処理センターの提供するwebサービスへ入力することによる方法です。管理者は情報処理センターより漏えい量のデータをエクスポートして報告書作成支援ツール(v2.0)へインポートします。インポートした後は、報告書作成支援ツール(v2.0)のデータを電子報告システムサイトへアップロードする点で、①の方法と同じです。

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この場合、管理者はお金がかかりませんが、充填回収業者は1回:税別100円の利用料がかかります。この条件が、情報処理センターが広まるかどうかの鍵の様な気がします。充填回収業者が1つの作業ごとに100円かけてデータ入力してくれれば、割と早く普及すると思いますが、億劫がって今までと同じ紙面による充填証明書、回収証明書の提出のまま変わらなければ普及しないかもしれません。

③RaMS:冷媒管理システムを利用する方法


最も金がかかる方法ですが、最も電子化された方法です。大会社であればあるほど協力会社や子会社も巻き込んでこの方法を採用したほうが合理的かもしれません。

一般財団法人日本冷媒・環境保全機構が提供するwebサービスであるRaMs:冷媒管理システムを管理者及び関係者である充填、回収、再生、破壊業者がいずれもRaMSにアクセスし、点検記録等のメンテナンス記録(ログブック)や漏えいデータの記録をRaMs上で一元管理する方法。
ログブックの利用は有料。初期開設:500円(税別)/台(シール付600円(税別))また、1年を超えてデータ登録を行うときには更新料として100円(税別)がかかる。
※ログブック利用料金イメージ:機器を1,000台所有している管理者であれば、初年度600,000円、次年度以降100,000円/年かかる

RaMsは情報処理センターとしての機能も有しているため、充填回収業者が1回:税別100円の費用を払って漏えいデータを入力すれば、報告書作成支援ツール(v2.0)がインポートする形式のデータをエクスポートすることができる。インポートされた後は上記の①、②と同様に報告書作成支援ツール(v2.0)のデータを電子報告システムサイトへアップロードする。

ビルメンはこの図のどこに関わるの?

長々と電子報告システムについて説明しましたがビルメンの立ち位置を説明していませんでした。
ビルメンがこの模式図に入るとしたらここです。

ビルオーナーすなわちフロン排出抑制法での管理者から、空調のガス漏れ修繕工事等の工事を受注して冷媒の充填業者回収業者に発注する場合がこれにあたります。また、ビルの管理契約でそのビルの漏えいデータを取りまとめる契約になっている場合も当てはまります。

私はこの電子報告システムを利用したか

私は関わっている複数企業の平成27年度の報告を担当しましたが、報告書作成支援ツール(v2.0)を利用して各物件の漏えい量データを集計しましたが、集計後の漏えいデータが規定量以下でしたので結局報告対象には当たりませんでした。

もし、報告対象となっていても電子報告は利用しなかったと思います。その理由は
1.電子報告制度がよくわからなかったこと
2.よくわからない仕組みを理解するのも、四苦八苦するのもめんどくさかったこと
3.こういう報告書を行政に出しますという社内稟議を紙面で回覧する必要があったこと
というものです。

今はこうして、制度をよく理解して有料なサービスと無料のサービス、有料の場合の費用負担者、各サービスの違い等をわかっていますので大変便利で有用な制度だとよくわかっています。ですので、来年からは検討すると思います。
皆さんもぜひご検討ください。

[注意]
本記事の内容は、あくまでサイト作成者の理解内容です。実際の制度や行政側の説明と相違する内容がありましたら、そちらの情報を優先下さい。



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