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法律 省エネ法

2020年に蛍光灯と白熱灯が製造中止になるというわけではない

投稿日:2015年12月17日 更新日:

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2015年11月末頃、“2020年に蛍光灯の製造が実質製造中止にするという方針を政府が示した”という報道がなされて、各メディアが一斉に製造中止・生産中止という用語を用いて追従した報道をしました。

それをネットニュースで見た私も、「ずいぶん過激な決定をするのだなぁ。白熱球をペットの亀や観葉植物の熱源として利用している人はどうするんだろう。アンティーク照明を鑑賞する人、展示している博物館等は今の球が切れたらどうするんだろう」という感想を持ちました。ちょっと憤りも感じていました。

その後一週間もしないうちに、一般社団法人日本照明工業会が

2020年に白熱灯(白熱電球)、蛍光灯(蛍光ランプ)製造が禁止されることはありません。

最近、新聞、テレビ等で白熱電球や蛍光ランプが 2020 年をめどに実質製造禁止と
なるという報道がなされ、各方面からのお問い合わせが殺到しておりますので、当工業会が経済産業省に確認した内容をご説明致します。

エネルギー消費効率の高い製品の普及促進をめざし、製造事業者等に機器等のエネ
ルギー消費効率の向上努力を求めているトップランナー制度に関して、照明製品を一本化した新たなトップランナー制度の導入検討がこれから開始されますが、これは2020 年に白熱灯(白熱電球)、蛍光灯(蛍光ランプ)の製造を禁止するものではないとのご回答をいただきました。

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トップランナー制度につきましては、まだ政府と製造事業者間の議論も始まってお
らず、現時点で具体的な内容は一切決まっておりません。今後政府関係省庁とも連携、協議し、お客様にご迷惑のかからないように推進して参りますので、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

2015 年 12 月 2 日
一般社団法人日本照明工業会
会長 揖斐 洋一

という文章を発表しました。これは日本照明工業会のHPでも見られますし、私の場合は付き合いのある商社から「こんな文章が出されてるよ」と紙で文章をもらいました。

この文章の中では、“経済産業省に問い合わせた”と記載があります。経済産業省も何かコメントを出しているのだろうかと気になったので、経済産業省のHPを参照したところ、経済産業省も「蛍光灯は禁止?」の誤解というタイトルでページを作って、禁止ではないということを説明していました。

政府方針が定まった後の初動で、あるマスコミが早まった報道をした為に日本中が困惑し、日本照明工業会や経済産業省が火消しに奔走したという流れのようですね。2020年に蛍光灯や白熱灯が製造中止になることはないようです。

では、どういった政府方針が定まりそうなのでしょうか?

政府方針の内容

メディアによる報道では
今までは、LED、蛍光灯がトップランナー制度の対象となっており、それぞれの品目の中でトップランナー基準値が定められていたが、2020年よりLED、蛍光灯、に加えて白熱灯がトップランナー制度の対象となり、さらにはそれぞれの品目別ではなく、これらを統合して“照明器具”というくくりでトップランナー基準値を定める
とされています。
(あくまでマスメディアの報道を参照した当サイトの解釈です。政府の方針に関する1次情報を参照するには首相官邸のHPを参照下さい。また、詳細については今後政府、官公庁、有識者、メーカー、ユーザー等の関係者が協議を進めていく中で定められます。)

なんだかいろいろ、よくわからないですね。

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トップランナーとはなんですか?

トップランナーとは、自動車の燃費基準や電気・ガス石油機器(家電・OA 機器等)の省エネルギー基準を、各々の機器においてエネルギー消費効率が現在商品化されている製品のうち、最も優れている機器の性能以上にするという考え方です(省エネルギーセンターHPより)

トップランナー基準とは、製造事業者等に、省エネ型の製品を製造するよう基準値を設けクリアするように課した「エネルギーの使用の合理化に関する法律(以下、省エネ法)」の中の、機械器具に係る措置のことです。(省エネルギーセンターHPより)

2014年3月時点でのトップランナー対象機器というのは31品目だったそうです。
具体的には
乗用自動車、貨物自動車、エアコンディショナー、テレビジョン受信機、ビデオテープレコーダー、蛍光灯器具(電球形蛍光ランプ含)、複写機、電子計算機、磁気ディスク装置、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、ストーブ、ガス調理機器、ガス温水機器、石油温水機器、電気便座、自動販売機、変圧器、ジャー炊飯器、電子レンジ、DVDレコーダー、ルーティング機器、スイッチング機器、複合機、プリンター、ヒートポンプ給湯器、三相誘導電動機、電球形 LED ランプ、断熱材、サッシ、複層ガラス
です。よく見ると、ほとんど身近な製品だらけですね。

これで少しはトップランナー制度について理解できるところが増えたでしょうか?
製造業者等(輸入業者も含む)に課される、取り扱う商品のエネルギー消費効率に目標を設定させる制度の様です。

では、制度が変わることによって何がどう変わるか

これまではLED、蛍光灯がトップランナー制度の対象となっており、それぞれの品目の中でトップランナー基準値が定められていたが、2020年よりLED、蛍光灯、に加えて白熱灯がトップランナー制度の対象となり、さらにはそれぞれの品目別ではなく、これらを統合して“照明器具”というくくりでトップランナー基準値を定める
そうです。

これによって何がどう変わるのでしょうか?

製造業者等がトップランナー基準値が達成できたかどうかは、出荷した品目ごとのエネルギー消費効率の加重平均値で判断するそうです。LED、蛍光灯、白熱灯がひとくくりにされて、照明器具として基準値が定められるということは、LEDをより多く売って、蛍光灯や白熱灯はあまり売らない方がいい。極端なことを言うと売らなければいいわけです。

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製造業者等(つまりメーカー)にとって、照明器具としてLED以外を売る意欲がそがれたわけですね。こうなれば、製造禁止とはならないまでも市場に出回る量が極端に少なくなりそうです。

この方針がビルメンにどう影響するのか

ビルメン会社として修繕工事などを中心に工事を請け負ってきたところは会社としてLED化工事を推進することになるでしょう。LED以外は製造禁止とならないまでも、流通数量が大きく減ることになるのは間違いなさそうです。

また、ビルメン会社として工事を進めていない会社もオーナーの方針によって、外部の工事会社に委託する形でLED化工事は進められるでしょう。そのときビルメンに求められるのは、既にLED化している箇所、未だLED化していない箇所の図面化です。図面といってもCADで書くものではなく、エクセルで作る模式図の様な簡易なものですが・・・。

現地調査の上、そういった図面的なものと数量表が求められるのは間違いなさそうですので、賢明なビルメン諸兄ならば急に依頼されてバタバタするよりも、先に動いておいて、急な依頼に備えていることでしょう。
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