ビルメン業界の人手不足問題は割と簡単に解決できるのではないかと思う

ビルメン・エンジニアへの就職・転職

最近どの企業も人員を確保できない悩みがあるようで、過去記事の
人が足りなすぎるビルメン業界の今後
とかでも、ビルメン業界の人手不足問題を取り上げてきました。

何やら、あるコンサルティング会社が企業の経営者5,000社くらいヒアリングした「企業活動に大きな影響を与えそうなものは何か」という質問で、それに関する回答を集計したところ
1位.人手不足
2位.事業承継
3位.AIに業務が代替される可能性
・・・

みたいな結果となったのをぼんやりと覚えていました。

どんな企業でも人が足りないんですね。なるほど。

でも人が足りないのって、結局その企業に原因があるように思います。

人が足りない構造の解説

子育て世代の出生数が減って若年人口が減少している

全世界的な先進国の傾向として出生数が減っていいるそうです。これは、マクロ的な背景として必ずあると思います。結局子供が減る、ひいては労働人口が減ると社会全体で人手不足となります。

労働条件の悪い業界・企業ほど人が足りなくなる

社会全体で労働人口が減少していっても、急に人手が足りなくなるわけではなく、人手は徐々に低減していくわけです。そういった状態が継続していって何が起こるかというと

  • きつい業界
  • 給料が安い業界
  • 人がやりたくない仕事をやっている業界

等々、労働条件と待遇のバランスが取れていない業界、さらには企業から人手が足りなくなっていきます。

例えば、きつくて薄給だと名高い

  • 介護業界
  • 飲食業界

等は常に人手不足だと聞きます。
スタッフの数が足りなくて夜間営業を止めたり、さらには閉店したりした店舗もあるとか。

コンビニなんかもそういった業界になるのかもしれません。私がよく行くコンビニも朝のシフトはアジア系の店員3人で完全に営業しています。

人手不足の企業が行い得る対策

効率を重視した業務改善(働き方改革)をする

最初に企業が着手するのはここだと思います。人手が足りないのを業務効率化することで補おうとすることです。
既存の環境のまま、知恵と工夫でなんとかするやり方なので、最も着手しやすくコストがかかりません。

・不要な社内書類を廃止する
・不要な手続きを無くす
・業務効率化できる社外サービスを導入する
・機械化・自動化する

みたいなことが業務効率の主な柱になると思います。

電通の社員だった女性が過労自殺したニュースをきっかけに、あらゆる業界で「働き方を改革する」「業務を効率化する」ということが声高に叫ばれました。
かくゆううちの会社も例外ではなく、トップダウンの命令で働き方改革・業務改革を進めています。

でもこういった対策は一時的なものです。どんなに効率化しても省くことのできる作業には限界があります。こういうやり方で効率化できるのは本当に一部で、節電で例えると「昼休みに照明を消す」ぐらいのわずかな効果の対策になりがちです。

では、本当に効果的な対策は何なのでしょう。

労働条件(主に給与)を競合他社や関連業界より良くする

本当に効果的な対策は“労働条件(主に給与)を競合他社や関連業界より良くする”ではないでしょうか。

人材流出の主な原因は“労働負荷に見合った給与が無いから”です。

親の介護が必要になって・・・
親戚の会社で働くことになって・・・
自分に合った業務内容ではなくて・・・
他にやりたいことがあって・・・

人はいろんな会社に言いやすい理由をつけて退職していきますが、本当の理由は“労働負荷に見合った給与が無いから”がほとんどです。
逆に言うとそこに満足していれば本当にやむを得ない場合を除き、退職者は少ないです。

労働条件が良ければ勝手に人は集まる

労働条件が良い企業には、人が勝手に集まります。

徳があって常にニコニコしている人は、自然にみんなから好かれるよという中国のことわざがあります。

桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す(とうりものいわざれどもしたおのずからみちをなす)
[訳:桃やすももは言葉を話さないが、花や果実に引き寄せられて人が自然に集まる。それと同様に徳があったり人柄が良かったりする人は自然に人気が出る。]

このことわざで「徳や魅力があれば人には自然に人気が出る」と教えられているように、労働条件の良い企業には自然に人が集まります。

知り合いのビルメンテナンス会社も不動産会社の系列系ビルメンテナンス会社として安定経営で同業他社よりも給与が良く、労働条件に見合った給与の会社として、社員からの紹介を中心に自然に社員が増えていって順調に事業を成長させていったのですが、あるとき親会社から“同業他社よりも給与が高い”ことを指摘され給与を7割~8割カットされてしまいました。

業績が悪くなったわけでも無く、同業他社と比較されただけの賃金カットですから社員に納得感など欠片もありません。そこにあったのはただただ怒りと会社への忠誠心の消失だったそうです。

仕組み的なことを言えば、会社は株主のものなので、子会社の株を持っている親会社のいうとおりにするにしかないのですが、仕組みは仕組みで人間の感情はそう論理的ではありません。

全国的なサブコンから転職してきてそのビルメン会社の修繕工事部隊のエースとなっていた人は「転勤がなくて以前のサブコンと変わらない給与の会社だから、家の購入をきっかけに紹介されて入ったのにこの会社じゃやっていけない」ということで、間もなく退職したそうです。

他にも数人退職者が続きました。

それ以降、紹介で入ってくる社員は以前の1/10ぐらいに減りました。
「いきなり理不尽に2~3割給与が減るような会社に知り合いを責任持って入れることはできない」
と多くの社員が感じたようです。

以降も何かと理由をつけて退職していく社員は後を絶たず、その会社は人が足りなくなって転職サイトに1人100万円程度の高いお金を払って常に社員を入れているそうです。

この事例からわかるように、社員が満足している会社にはその社員の紹介で自然に社員が増えていく一方で、社員が満足していない会社からは自然に人材が流出していきます。

まとめ

人が足りない時代に企業が実施すべき施策は在籍社員の賃上げだと思います。在籍社員が待遇に満足していれば自然発生的に社員は増えます。

周りの同業他社が世間一般と同等に人が足りない状況で、自社が十分に人を確保できていればそれだけで競争優位になります。

人が足りなくて業務を拡大できなかったり、既存業務から撤退する同業他社があれば、その業務を奪取することもできます。

長い目で見れば、経営者が勇気を持って社員の満足を得られる程度に賃上げすることが生き残りの最善策だと思うのですがいかがでしょうか。

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