倍返しだ!BM物件を奪取した会社への制裁

ビルメン・エンジニアへの就職・転職

以前仁義なき戦い!ビルメンテナンス会社同士の管理物件の奪い合い
で書きましたが、管理物件は系列系でない限り基本的に奪い合いです。

オーナー側も管理費用を圧縮できるに越したことはないので、「管理費用の見直し」という名目で今管理を委託している企業も含めて複数BM会社で入札形式の相見積もりを実施したりします。

系列系のビルメンテナンス会社は、系列会社が所有している物件以外でも系列外からビルメンテナンス業務を受注していることがあります。

ことがありますというより、半分くらい系列以外から受注しているところもあるのではないでしょうか。毎年毎年右肩上がりの増収増益の予算設定を求められ、それを達成するために試行錯誤した結果、系列外の受注が増えていったのだと思います。

青天の霹靂の様な管理会社の見直し

物件オーナも不動産ファンドのような会社が増えてきました。これらの会社の特徴は物件の収支や利益率に特に執心しているということです。

常に物件としての利回りが伸びているか意識して、伸びていなければ何が悪いのか、改善できるところはないかと改善点を探しています。

古き良き時代のように、従来通りの管理仕様・管理価格で何年も受注し続けるということは当たり前ではなくなりました。

改善点の一つとしてBM費用を低減させるということも当然候補に挙がります。

今回はそのBM費用に白羽の矢が立った事例の紹介です。

4年ほど受注してきた管理物件の費用見直しと行うということで、オーナー会社から入札の通知を受けました。

「入札結果を当て馬に、値下げこそ要求されるものの管理会社を変えることはないのではないか」そういうような緊張感の無さ、現実感の無さが自社の物件担当者や管理職の中にありました。

ところがどっこい、入札に負けてしまう

なめてかかって入札に参加してたら、ある独立系のビルメンテナンス会社に年間のBM費用で負けてしまって、物件管理を奪われてしまいました。(当たり前ですけど)

それでめんどくさいことが始まったのですが、入札に負けたそのときはまだその予兆を感じることはありませんでした。

ちなみに入札に勝ったそのBM会社はうちの他の複数物件を下請けとして管理していたんですね。全体の1割くらいですが10棟くらいの管理棟数はありました。

入札結果を受けて経営陣が判断したことは「そのBM会社(今後A社とします)との契約を全部切れ。」ということです。

めんどくさいこととはこのことです。まぁ経営陣のイラつきはわかります。うちから仕事もらっとる癖にうちの経営に何マイナスなことしてくれとんねんってことです。A社はちゃんと入札に勝って受注したのにとても理不尽です。でも社会ってそんなもんですよね。ほとんどの場合、強い者の論理が優先されます。

A社も入札を辞退すればいいのに、と後の祭りながら社内の誰かが言っていました。確かに元受けの機嫌を損ねる行為をすることにA社はもう少し気を使うべきだったのかもしれません。

倍返しだ!A社に怒涛の物件解約を浴びせかける

その経営判断が下されてからA社への解約通知が一斉に始まりました。A社が今回の入札で受注できたのは数千万円のビルメンテナンス契約ですが、怒涛の解約通知によってA社が被った損害は1億5千万円~2億円くらいです。全然割に合いません。

倍返しどころではありません。3倍から4倍返しを食らっています。さぞかしA社のその年の業績に影響があったことだろうと思います。

その後A社から釈明という名目の詫び入れがあったのか、別の角度のアプローチがあったのかそれは管理職や経営陣クラスしかわからないのですが、結局A社との契約は全て無くなってしまいました。

自分がA社の社員だったら賞与とかにマイナスの影響があったのだろうかとかいろいろ想像したのですが、強者の論理で回る世界の中で理不尽に抗う力は、1構成員の自分にはありません。モヤモヤを抱えたまま日々の業務に忙殺され、そのことは過去のことになっていきました。

ビルメンテナンス業界だけのことではない?

多分こんなことはビルメンテナンス業界にだけ起こることではないと思います。ビール業界にしろ、自動車業界にしろ、
保険業界にしろ、限られたパイの中でシェアを奪うことにどの会社でも必死になっています。

シェア拡大に焦点を合わせていたが故に、その後に起こることを想像していなかった。というのがA社の経営陣の反省点なのかもしれません。

傍観者として見ていた自分の感想は「くわばわくわばら」です。「大人の世界にもいじめってあるの?」って子供に聞かれたら「無いよ」って即答できないですねw

おまけ

業績の悪くなったA社は人員を少し整理したくなったのか、人件費を抑えたのかは知りませんが、A社の労働環境が悪くなったとかで、A社の中の数人化がうちの会社に転職してきました。

管理物件を失っただけでなく、社員まで失ったA社。この人不足の時代に戦力社員を数人抜かれることはかなりの打撃だったろうと思います。

改めて「くわばわくわばら」と思いました。

仁義なき戦い!ビルメンテナンス会社同士の管理物件の奪い合い

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