人が足りなすぎるビルメン業界の将来

ビルメン・エンジニアへの就職・転職

転職活動で少しでも損失を回避して生涯賃金を高める方法でもかきましたが、ビルメン業界では圧倒的に人が足りていません。うちの会社で言うと100人でやるべき業務量を90人とか80人ぐらいの人数でこなしている状況です。

人が足りない理由

そこそこ景気が良い

この業界は不景気の時に就職・転職希望者が増えて、好景気の時には就職・転職希望者が減ると言われています。不景気で他の業界が縮小して企業がリストラをしたり、企業自体が倒産したりした場合にビルメンへの就職・転職希望者が増えるわけです。

不景気になって企業のリストラや倒産が増えたところで、建物がすぐに取り壊されたりすることは少ないので、基本的には不況の影響は受けにくい業界ですからね。

ですから不景気の時に就職・転職希望者が増えて、好景気の時には就職・転職希望者が減ると言われています。実際2017年の今現在ではアベノミクスによる好景気が続き、個人の所得や家計にはなかなか好景気の恩恵を受けている実感が無いと言われてはいるものの企業の業績は好調で企業の内部留保は増えていると言われています。一般的には好景気とされるのでビルメンが足りていないのでしょうね。

日本人が減っている?

20年以上前から若年人口の減少に歯止めがかからないと言われ続けています。自分の周りでも30歳を超えて結婚していない人が結構いますし、結婚をしている人でも子供がいなかったり、子供が1人もしくは2人だったりすることが多いです。結婚して2人子供を作ったとしても人口増加に寄与する程度はイーブンで差し引き0人です。一人子供を作ったとしても差し引きマイナス1人です。結婚しなければマイナス1人です。

一人子供を作った夫婦や結婚しても子供を作らなかった(作れなかった)夫婦、結婚しなかった人のマイナス分を3人以上子供を作った夫婦が補わなければならないのですが、そのマイナス分を補うくらい3人も4人も既婚夫婦が子供を作っているかというと自分の周りの夫婦ではとてもそうではないようです。

つまり、統計的にも実感的にも若年日本人数は減っていると考えてもよさそうな状況です。

それがなぜビルメンの人手不足につながるかというと、ビルメンは華やかな業種ではなく子供のころから夢にする様な職でもないからですね。若者が他の業種を差し置いてもなりたい職業ではないからです。高校生や大学生が回答する就職したい企業ランキングでビルメンメンテナンス業がランクインしていたことは一度も見たことはありません。

それもそのはず、この業界は薄給なのが当たり前の業界だし、仕事内容も良く言えば縁の下の力持ち、悪く言えば裏方で地味な仕事です。若い人で進んでビルメンになろうという人はいないのでしょうね。

でもそれもわかります。地味なだけではなく、時には危険で時には汚い仕事です。高圧受電設備の周りで点検や作業をしているときには一歩間違えば感電して死んでしまう危険を感じますし、トイレの汚物を処理する流れで可燃ごみを片付けていたらむき出しのうんこが捨てられていたりおり、そのうんこに気づかずに素手で触ってしまったこともあります。さすがにショックが大きかったですね。

元々若者がなりたい職業でもないうえに、20年前から若年層が減っているのでさらにビルメンテナンス会社に来てくれる人が少なくなるのです。

誰でもいいわけではない

もちろん人が足りないと言いながらも、応募された求職者全てを採用しているわけではありません。うちは系列系なので、現場単位で地場の独立系のビルメンの監督者になる場合が多く、全くの業界の知識が無かったり資格を持っていなかったりしている場合は応募者の採用を見送っています。

あくまで、これは親会社の求める業務レベルに応じる為のうちの会社の採用方針ですが、他の系列系ビルメンテナンス会社に入社する場合だったり地場の独立系のビルメンテナンス会社に入社する場合はまた違った採用方針になるかもしれません。特に地場のビルメンテナンス会社の場合は未経験・無資格者でも採用して自社で育成する会社が多いようです。

人手不足のビルメン業界が向かうこの先は

ビルメン業界に限らず、いろんな業界で人手不足のニュースを見聞きします。飲食店が人手不足で閉店したとか、医療介護業界が人手不足に備えて就労移民を検討しているとか。経団連が人手不足解消の為に就労移民をもっと増やすような政策を要請しているとか。

日本の経済は最盛期がとうに終わり、成熟期を越えて縮小期に入っています。人口が減少しているのがその流れに拍車をかけています。人口が減っているが、毎年の経営成績は右肩上がりにしたい経団連所属の経営者の方々は就労移民をより一層促進していくのだと思います。

そうなった場合は、やはりビルメン業界も外国人が増えていくことになるのではないでしょうか。

既にコンビニや飲食店点は外国人就労者だらけです。日本人の就業者の方が少ないコンビニもあるようです。私がよく通勤途中に買い物をするコンビニでも毎朝レジをしているのはインドネシアの留学生らしき若い女性と中国からきたであろう若い女性です。

私の住む地域では10年前には見られなかった光景です。しかし、少しづつそして確実に外国人の就労事情は進んでおり、これからも外国人就労者は増えると思います。

幸いにもビルメン業界は、設備機器をメインの相手とする業界であり、難しい日本語は求められません。設備機器や建築の知識とこの業界の日本語の専門用語が理解できていればたいていの業務はできそうです。

外国人就労者の受け入れ方そしてどう打ち解けて協業するかを我々ビルメンは次のステージとして考える必要がありそうです。

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