第三種電気主任技術者(電験3種)試験低合格率の裏側

第三種電気主任技術者(電験三種)

合格率を表す表からわかること

電験三種試験の合格率は低いと言われています。
平成26年度から10年分さかのぼった合格率に関するデータが以下にありますが、
[table id=1 /]
まずは左から見ていきます。

高い未受験率

受験申込者に対して、実際に試験会場で試験を受けた受験者の割合が結構低いですね。未受験率がどの年も概ね25%程度です。4人に1人が受験しないって結構未受験率としては多いなという印象です。

なぜ受験しないのでしょう。
考えられる理由としては

  1. 途中で試験を諦めた
  2. そもそも最初から軽い気持ちで受験していた

ということがあるのかもしれません。

試験勉強を途中で諦める理由としては、思った以上に範囲が広くボリュームがある為に、仕事をしながら勉強することが難しいと感じたということが一つ。さらには数学的な知識がなければ理解できない箇所がいくつある為、自分には無理だと思ったというところでしょうか。

もう一つの未受験率が高い理由として考えられるのは、そもそも軽い気持ちで受験していたという理由ですが、この電験三種という資格は電気業界や広くは建設業界において、電気のスペシャリストであるという証明である為に会社が受験をうながしてきます。「勉強してるか?」とか「今年の申し込みはしたか?」等オフィシャル、アンオフィシャルな形で言われたりします。

まだ持ってない人の中では「会社がああ言っているし、俺も取りたいと思っていた資格だから申し込みしとくか」くらいの気持ちで申し込みをする人もいます。そういう気持ちで申し込んだ人は、えてしてあまり勉強しません。試験一ヶ月前あたりであわてて詰め込もうとしますが、一ヶ月の詰め込みで受かるほど簡単な試験ではないことを知り、「あ、こりゃ受けてもダメだ」と試験自体を放棄する流れが考えられます。

受験者数総数はそれなりに

申込者数の25%が受験放棄した結果、毎年50,000人弱の人数が受験しています。結構多いなという印象ではないでしょうか。電力会社やそのグループ会社の○○電工という会社、電気設備の会社や中規模電工会社、ビルメンテナンス会社、そして各種工場に所属している人は今の職務上必要な資格であり、キャリアアップの為に受験しているだろうということが容易に想像されます。おそらくこの母集団が一番多いのだと思います。

さらには、今は電気と全く関係のない会社に勤めているが、転職したいと考えていて、電験三種を取ることで履歴書に花を添えようと考えている人達もいるでしょう。

そして、工業高校、高専、大学生、電気の専門学校生といった学生も受験してきます。

ちなみにですが、行政書士の受験者数は60,000人程度の様です。行政書士の受験者数よりかは少し少ないみたいですね。

そして、宅地建物取引主任者(通称:宅建)の受験者は200,000万人~250,000人です。さすがにこの資格はメジャーであり手頃な勉強ボリュームとそこそこの合格率でることから人気があります。

また、試験範囲がよく似ているエネルギー管理士(電気範囲)ですが、こちらは6,000人程度です。専門性が高く、活用できる職域が限られる資格だとグッと受験者数が少なくなっています。

電験三種は取ろうとする人がそこそこ多い資格であるということが、非常にざっくりとですがわかります。

低めの合格率

その次に目に入るのが合格率ですが、合格率は10%を切る年が多いです。平成23年度と、平成24年度の合格率に至っては5%台です。難しい資格ですね。
上位10%に入るのも結構難しいのに5%は運の要素が絡んでくる数字です。

ただし、5%台は過去10年で2年だけで、その他の年は10%前後です。

ちょっと気をつけて見なければいけないのは、電験三種は科目合格留保制度を採用しているということです。一度合格した科目はその後2回の試験まで合格を留保できる為、合格率で合格したとされている数字にはその年から2年前までの科目合格者が合格した数も含まれているわけです。

一発で4科目合格した人の割合はわかりませんが、10%からさらに少なくなった数%程度の割合でしょう。

科目別合格率

ちなみにですが、参考として科目別合格率のデータです。
<理論>
[table id=2 /]
理論は概ね15%程度の合格率です。
<電力>
[table id=3 /]
電力は、年度によっては20%を超えているときもあります。

<機械>
[table id=4 /]
機械は理論とほぼ同じか、やや低めの合格率の印象

<法規>
[table id=5 /]
法規はもともと3割近くあった合格率が、ここ数年は他の科目と同じくらいに合格率を抑えられている印象。

なぜ合格率が低い?

合格率が低いのは、簡潔に言うと難しいからということに他なりませんが、

  1. 本試験の合格ボーダー点が高い
  2. 勉強する内容が難しい

ということだと思います。本当に難しい?電験三種難易度についての実際のところで難しさについては触れましたが、ある程度の数学的な基礎力が求められることが、ある種の参入障壁になっていることが難しいといわれる一因となっています。

合格率の低さをあまり気にするな

上記で、電験三種試験の合格率や難易度について述べてきましたが、結論としては気にしないで黙々と勉強することが大事です。

我々は本試験でサイコロを振って合格者・不合格者を決めるわけではなく、本試験までに積み上げた実力によって試験を受けた結果によって合否を決めるわけです。

合格ラインを超えるよう実力をつけていけば受かるわけですから、あまり合格率を気にする必要はありません。黙々と試験勉強を頑張りましょう。

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