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フロン排出抑制法 法律

フロン排出抑制法ってこんな法律

投稿日:2015年11月12日 更新日:

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改正フロン排出抑制法が平成27年4月1日に施行されました。
内容をものすごく簡単に表現すると、“業務用の空調機や冷凍機、冷蔵・冷蔵庫等フロン冷媒が入っている機器は、点検・記録・報告が義務化された”というものです。

簡単に表現するとこれだけなのですが、この法律は物件およびその内部の空調機器保有者、つまり物件オーナーには結構な出費を伴う頭の痛い法律です。そして、その結果出費が増えることを嫌うオーナー会社はビルメンに無償で点検・記録・報告といった作業をさせようとしてくることが多いです。

オーナーに業務仕様の追加に関して無償対応を依頼されるという無茶ぶりの前に、何のことについて、何をしろと言われているかを把握し、作業量や責任を勘案して無償では無理なものは無理と言えるようにしておきましょう。

経緯

元々フロン回収法と呼ばれる法があって、それが改正される形で施行されたのですが、実はそのフロン回収法の前にもフロン排出に関する法は施行されてきました。
以下は各改正と主な改正点です。(改正点の中から主要なものを抽出して掲載しています。全ての改正点を掲載しているわけではありません)

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平成14年4月1日に最初のフロン法が施行

・フロンのみだり放出の禁止
・業務用冷凍空調機器の廃棄時には、登録業者によるフロン回収を義務付けた
・第一種フロン類回収業者による回収量の都道府県知事への報告が義務となった
・十分な知見を有するものがフロン回収を実施することが必要となった
・フロン破壊業者が許可制となった

平成19年10月1日フロン法初回改正

・業務用冷凍空調機器の廃棄時からフロン回収終了までを書面で管理する行程管理制度を導入
・廃棄時だけでなく、整備時のフロン回収も都道府県知事への登録が必要となり、回収量を都道府県知事に報告することも必要となった
・リサイクル業者等へ機器を譲渡する前にフロン回収をすることが義務付けられた

平成27年4月1日フロン法2回目改正

・都道府県知事の登録を受けた専門事業者以外はフロン類の回収や充填が禁止された
・フロン冷媒が漏れた時に、修理を行わずに充填をする繰り返し充填が禁止された
・一定規模以上の機器は「冷媒フロン取扱技術者」等が点検をしなければならない
・一定規模以上のフロンを漏えいさせた機器の所有者は国に報告しなければならない
・フロン取扱業者はフロン充填、フロン回収を行ったときは機器の所有者へ「充填証明書」や「回収証明書」を発行しなければならない
・フロン取扱業者はフロン充填、フロン回収を行ったときは充填量や回収量を都道府県知事に報告しなければならない

こうして見てみると、当然のごとく改正のたびに制度は厳しくなっているのですが、こういった要点の抜き出しだけではよくわかりませんので、以降で最新の改正である平成27年改正の内容をもう少し掘り下げて解説します。

平成27年フロン排出抑制法の内容

点検

全ての第一種特定製品について、管理者は4半期に1回以上の簡易点検を実施しなければならない。また、管理する第一種特定製品の圧縮機に用いられる電動機の定格出力が7.5kw以上の場合は十分な知見を有する者による1年又は3年に1回以上の定期点検を実施しなければらなない

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平成27年度改正の内容を専門用語だらけで表現すると上記のようになるのですが、まぁ何を言っているかわからないですよね。

第一種特定製品って何?

第一種特定製品とは…業務用のエアコンディショナー並びに冷蔵機器及び冷凍機器であって、冷媒としてフロン類が充塡されているものです。

何を持って業務用とするのか

業務用として製造されたかどうかで業務用か否かを見極めるそうです。その確認方法には、①室外機の銘板を確認する、②メーカーに問い合わせるといった方法があります。

ちなみにですが、家庭用のエアコンディショナーは家電リサイクル法でフロンの回収が義務付けられており、カーエアコンは自動車リサイクル法でフロンの回収が義務付けられているので、本法の対象外となります。

管理者って誰のこと?ビルメン?

管理者とは原則的には機器の所有者のことです。だったら、最初から所有者と表現すればいいと思うのですが、法の条文には管理者と表現されています。じゃあ、ビルメンは管理者になることはないのかというと、こういう例外規定が定められています。

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“ただし、例外として、契約書等の書面において、保守・修繕の責務を所有者以外が負うこととされている場合は、その者が管理者となります。なお、メンテナンス等の管理業務を委託している場合は、当該委託を行った者が管理者に当たります。”

例外規定のうち、ビルメンが関係するのは後者ですね。管理業務を委託されている程度であれば機器の管理者は依然として所有者とされているわけです。ですので、フロン法に関する順守責任は物件オーナーにあります。

簡易点検って何?

機器の外観点検のことです。パッケージエアコンの場合、室内機も室外機も見ます。
ちなみに、パッケージエアコンの場合のチェックポイントは
<室内機>
・室内機内の熱交器の霜付き有無

<室外機>
・機器の異常振動・異常運転音状況
・室外機及び周辺の油のにじみ
・室外機のキズの有無、熱交換器の腐食、錆び、傷など

等です。冷凍・冷蔵庫、ターボ冷凍機・スクリュー冷凍機・チリングユニット等の大型冷凍機等の対象ごとにチェックするポイントが違います。
業界団体の「日設連」が点検記録簿のサンプルを配布しているので、「フロン排出抑制法 点検記録簿」で検索して参照してみるといいでしょう。

十分な知見を有するものとは?

非常にあいまいな表現ですよね。まるで何かを明言するのを避けているような印象を受けます。
ちなみに、業界団体の講習会ではこう表現されていました。
“機器の冷媒回路の構造や冷媒に関する知識に精通した者が十分な知見を有すると考えられます”
基本的には冷媒フロン取扱技術者(第一種、第二種あり)です。この資格を持っていれば、十分な知見を有する者とみなされます。
その他には以下の資格保持者であり、併せて充塡(点検)に必要な講習(環境省及び経産省が認定するものに限る)を受講した者も十分な知見を有する者として認めるということでした。

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・ 冷凍空調技士(日本冷凍空調学会)
・ 高圧ガス製造保安責任者:冷凍機械(高圧ガス保安協会)
・ 上記保安責任者(冷凍機械以外)であって、第一種特定製品の製造又は管理に関
する業務に5年以上従事した者
・ 冷凍空気調和機器施工技能士(中央職業能力開発協会)
・ 高圧ガス保安協会冷凍空調施設工事事業所の保安管理者
・ 自動車電気装置整備士(対象は、自動車に搭載された第一種特定製品に限る。)(た
だし、平成20年3月以降の国土交通省検定登録試験により当該資格を取得した者、
又は平成20年3月以前に当該資格を取得し、各県電装品整備商工組合が主催するフ
ロン回収に関する講習会を受講した者に限る。)

1年又は3年に1回以上って?よくわからないんだけど

十分な知見を有する者による機器の定期点検は、機器の種類と容量によって区分されています。

対象機器 規模 点検頻度
空調機器 7.5kw以上,50kw未満 3年に1回以上
50kw以上 1年に1回以上
冷凍・冷蔵機器 7.5kw以上 1年に1回以上

定期点検の内容は?

まずは、簡易点検同等の外観点検を実施しなければならないとされています。
さらに、直接法間接法、あるいはそれらを組み合わせた方法により点検を実施しなければならないとされています。

簡易点検同等の外観点検はもうわかりますね。上で説明したとおりです。では直接法や間接法というのはなんでしょう。

直接法・・・リークテスター(漏えい検知器)での検査、発泡液の吹きかけ、蛍光剤の冷媒配管内への注入などにより漏えい個所を特定する方法です。

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間接法・・・:蒸発器の圧力、圧縮器を駆動する電動機の電圧又は電流その他第一種特定製品の状態を把握するために必要な事項を計測し、当該計測の結果が定期的に計測して得られた値に照らして、異常がないことを確認する方法です。

ある程度、冷凍空調機器の知識がある人なら、この説明でわかるのではないでしょうか。業界団体が主催するフロン冷媒取扱技術者講習会のテキスト上では、まずは間接法を実施し、漏えいの疑いがある系統については直接法にて漏えい個所を特定する方法が推奨されていました。

記録

点検を実施したら、点検記録簿として記録を残さなければならないのですが、決まった書式はありません。また、データ保存も、紙面による保存も可とされています。

書式はありませんが、業界団体から配布されているマクロ入りのエクセルがありますので、そのレイアウトを転用していれば無難でしょう。

報告

フロンを漏えいさせた時には、年に一度各都道府県知事や各大臣に報告しなければなりません。

その基準はこう定められています。

国への報告が必要となる管理者は、法人又は個人を報告単位として、保有する機器からの漏えい量を算定して、漏えい量が1,000Co2-t以上の者が報告対象となる。

※事業所単位で1,000Co2-t以上の漏えいがあった場合は、管理者全体の報告に加えて、その事業所の漏えい量についても報告する必要がある。

※複数の事業を営む場合には、当該事業を所轄する全ての事業所管大臣対し、同一の内容を報告する必要がある。

報告対象時期は4月1日~翌年3月31日までの漏えい量を、その年の7月末までに報告しなければなりません。

いかがでしょうか、結構複雑な法律で、点検体制を整えるまでのハードルが高い法律ですが、ざっと概要を述べると上記のようになります。この記事を書いた時以降さらに法改正されている可能性もありますし、そもそもこの記事の法解釈が微妙にずれているかもしれません。業務としての間違いのない知識を習得するためには、1次情報である環境省のウェブサイトを参照して下さい。

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