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省エネ法

パナソニックが蛍光灯照明器具の生産終了を発表!新トップランナー制度の影響がじわり

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平成29(2017)年10月2日に「パナソニックがオフィスや工場向けの蛍光灯照明器具の生産を2019年3月で終了し、蛍光灯照明器具の生産を終了する」というセンセーショナルなニュースが流れました。

パナソニックは住宅用の蛍光灯照明器具の生産を2016年3月に終えており、今回は生産中止の範囲を拡大するものです。

国内大手では東芝ライテックが2017年3月に蛍光灯照明器具の生産を終了しており、国内大手メーカーが相次いで蛍光灯の市場から撤退する形となりました。

生産中止の背景

蛍光灯照明器具が生産中止になって、今後はLED照明器具が主流になっていくのですが、その背景は何でしょうか。

それは
2020年に蛍光灯と白熱灯が製造中止になるというわけではない
で述べましたが、2015年11月末頃に新しいトップランナー制度が発表されたことに起因します

当時は蛍光灯が政府により2020年に実質製造中止にされるという誤報が流され、多くの誤解を招く元となっていましたので、そうではないと解説をしたこの記事が大変な反響を呼びました。“蛍光灯 製造中止”のキーワードで2年近く検索結果の1位となっています。

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トップランナー制度とは

トップランナーとは、自動車の燃費基準や電気・ガス石油機器(家電・OA 機器等)の省エネルギー基準を、各々の機器においてエネルギー消費効率が現在商品化されている製品のうち、最も優れている機器の性能以上にするという考え方です(省エネルギーセンターHPより)

トップランナー基準とは、製造事業者等に、省エネ型の製品を製造するよう基準値を設けクリアするように課した「エネルギーの使用の合理化に関する法律(以下、省エネ法)」の中の、機械器具に係る措置のことです。(省エネルギーセンターHPより)

2014年3月時点でのトップランナー対象機器というのは31品目だったそうです。

具体的には
乗用自動車、貨物自動車、エアコンディショナー、テレビジョン受信機、ビデオテープレコーダー、蛍光灯器具(電球形蛍光ランプ含)、複写機、電子計算機、磁気ディスク装置、電気冷蔵庫、電気冷凍庫、ストーブ、ガス調理機器、ガス温水機器、石油温水機器、電気便座、自動販売機、変圧器、ジャー炊飯器、電子レンジ、DVDレコーダー、ルーティング機器、スイッチング機器、複合機、プリンター、ヒートポンプ給湯器、三相誘導電動機、電球形 LED ランプ、断熱材、サッシ、複層ガラス
です。よく見ると、ほとんど身近な製品だらけですね。

トップランナー制度というのは製造業者等(輸入業者も含む)に課される、取り扱う商品のエネルギー消費効率に目標を設定させる制度です。

では、制度が変わることによって何がどう変わるか

これまではLED、蛍光灯がトップランナー制度の対象となっており、それぞれの品目の中でトップランナー基準値が定められていたが、2020年よりLED、蛍光灯、に加えて白熱灯がトップランナー制度の対象となり、さらにはそれぞれの品目別ではなく、これらを統合して“照明器具”というくくりでトップランナー基準値を定めるそうです。

これによって何がどう変わるのでしょうか?

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製造業者等がトップランナー基準値が達成できたかどうかは、出荷した品目ごとのエネルギー消費効率の加重平均値で判断するそうです。LED、蛍光灯、白熱灯がひとくくりにされて、照明器具として基準値が定められるということは、LEDをより多く売って、蛍光灯や白熱灯はあまり売らない方がいい。極端なことを言うと売らなければいいわけです

製造業者等(つまりメーカー)にとって、照明器具としてLED以外を売る意欲がそがれたわけですね。こうなれば、製造禁止とはならないまでも市場に出回る量が極端に少なくなることになります。

国内大手製造メーカーが相次いで蛍光灯の照明器具の生産から撤退するのはこういう背景があったのですね。新しいトップランナー制度が影響しています。

メンテナンス用の蛍光ランプは継続して販売することに注意

今回の報道で、注意して解釈しなければならないことがあります。それは
メンテナンス用の蛍光ランプは継続して生産する
ということです。

センセーショナルな第1報に飛びつかずに1次情報をよく吟味しなければ、誤報に惑わされてしまうというのは2015年11月末の「蛍光灯が政府により2020年に実質製造中止にされる」という誤報でよく学びました。

今回は、メンテナンス用の蛍光ランプは継続して生産するという点に気を付けなければなりません。どういうことかというと蛍光灯が切れたらビルメンテナンススタッフが交換している、いわゆる“管球”については、製造が継続されるということです。

ということは、物件オーナーは慌てて照明器具を更新するような設備投資をする必要は無いということです。

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ここに気をつけなければ、ビルメンはオーナーに間違った情報提供をしてしまいますし、オーナーも投資判断を間違ってしまいます。

ニュースタイトルには飛びつかずよく吟味してご利用ください。そして、ビルメンはオーナーに正しい情報を提供するように努めてください。

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