記憶術の5番目~既知関連付け法~の紹介です。渡辺式記憶術では基礎結合法と呼ばれているようです。
覚えなければいけないことを、自分が既に知っていることで、かつまず忘れないだろうという事柄に絡ませて記憶してしまう方法です。
この記憶術をスムーズに使う為には、あらかじめ自分が知っていることで、忘れないだろう事柄のリスト(これを既知表といいます。渡辺式記憶術では基礎表と呼ばれる)をあらかじめリストアップしておくといいでしょう。
以下は私が思いついて挙げたものですが、探せばまだまだ見つかると思います。
既知表(例)
■3種類■
物質の三体:固体、液体、気体
品物などを三階級に分けた際の等級の呼称:松、竹、梅
三国志:魏、呉、蜀
色の三原色:赤、青、黄
三種の神器:鏡、玉、剣
昭和の三種の神器:電気冷蔵庫、電気洗濯機、白黒テレビ
新三種の神器:カラーテレビ、クーラー、自家用車
■4種類■
トランプ:スペード、クラブ、ハート、ダイヤ
四天王:持国天、増長天、広目天、多目天
四方:前、後、左、右
四方位:東、西、南、北
四神:朱雀、青龍、白虎、玄武
四季:春、夏、秋、冬
■5種類■
五大行:地、水、火、風、空
教育:幼稚園、小学校、中学校、高校、大学
五レンジャー:赤レンジャー、青レンジャー、緑レンジャー、黄レンジャー、桃レンジャー
五虎大将軍:関羽、張飛、趙雲、黄忠、馬超
五常の徳:仁、義、礼、智、信
■6種類■
六道:天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道
■7種類■
七つの海:北大西洋、南大西洋、北太平洋、南太平洋、インド洋、北極海、南極海
七福神:恵比寿、大黒天、毘沙門天、弁財天、福禄寿、寿老人、布袋
春の七草:セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ
秋の七草:ハギ・オバナ(ススキ)・クズ・ナデシコ・オミナエシ・フジバカマ・アサガオ(キキョウ・ムクゲなどの説あり)
七つの大罪:傲慢、憤怒、嫉妬、怠惰、強欲、暴食、色欲
虹色の七色:赤、橙、黄、緑、青、藍、紫
■8種類
音階:ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド
八徳:仁、義、礼、智、忠、信、考、悌
■9種類■
(思いつきませんでした。野球の好きな人は“1985年阪神優勝時のナイン”とか、いろいろレパートリーを作って増やせると思います)
■10種類■
十徳:仁、義、礼、智、勇、忠、信、孝、悌、和
■11種類■
セーラームーンキャラクター:セーラームーン、セーラーマーキュリー、セーラーマーズ、セーラージュピター、セーラーヴィーナス、セーラーちびムーン、セーラーウラヌス、セーラーネプチューン、セーラープルート、セーラーサターン、セーラーちびちびムーン
■12種類■
十二支:子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥
黄道十二星座:みずがめ座、うお座、おひつじ座、おうし座、ふたご座、かに座、しし座、おとめ座、てんびん座、さそり座、いて座、やぎ座
誕生石:ガーネット、アメシスト、アクアマリン、ダイヤモンド、エメラルド、パール、ルビー、ペリドット、サファイア、オパール、トパーズ、ターコイズ
実践既知関連付け法
それでは、実際に既知関連付け法をやってみましょう。
テーマは政経で習う“景気の波”です。
覚える対象は、キチンの波、ジュグラーの波、クズネッツの波、コンドラチェフの波、の4つです。景気の波は数年単位のものから数十年単位のものまで様々ですが、上のものは短いものから挙げています。
①覚えたいものを書き出す。
~頭文字法~や~ゴロ合わせ(語呂合わせ)法~と同じやり方です。書き出さずにすべてイメージの中で完結させてもいいのですが、私の場合はウンウンと考えすぎて頭が痛くなってしまったので、書きながら関連付けを行うようにしています。
②覚えたいものを見て思いつくイメージを書き留める。
既知のものと関連付ける前に、覚える対象を覚えやすく変換します。
キチンの波→キッチンという様に。
③覚えたいものの数と対応する既知表をいくつか横に書き出し、どれと関連付けるか決める。
今回は四神:朱雀、青龍、白虎、玄武としました。
④覚えたいものと既知表を関連付けるための印象的なイメージを作る。
ここがポイントです。
強烈な印象として記憶に残るような、突飛でびっくりする出来事がいいです。また、自分の体験した記憶のようにありありと想像すると一層忘れにくくなります。
今回のイメージは
・キッチンの中で朱雀がおぼれている
・ジャグリング中のピエロが青龍に喰われた
・百虎の全身が鋼鉄化して一瞬でクズ鉄に
・(ロープウェイの)ゴンドラが玄武にぶつかって、玄武が飛んでいった
の4つとしました。
イメージをあれこれ迷うと良くないようです。
最初に思いついたイメージを大事にして、それを印象深く仕上げることが大事です。
古代ギリシャ人が演説の内容の順番を覚えるのに使っていたという既知関連付け法の紹介でした。
この記事以外にも記憶術の記事があります。よろしければ参照下さい。