この勉強法で合格!第三種冷凍機械責任者(三冷、冷凍三種)合格体験記

第三種冷凍機械責任者(冷凍三種、三冷)

ビルメン資格4点セットのうちの第三種冷凍機械責任者試験の合格体験記です。
ビルメン4点セットって何?という方はこちらの記事を参照ください。
ビルメン4点セット

まずは、この資格に関する基本情報の整理です。

基本情報

必要性 ★★★★★★☆☆☆☆
難易度 ★★★★☆☆☆☆☆☆
ボリューム ★★★★★☆☆☆☆☆
主催団体 高圧ガス保安協会
民間資格or国家資格 国家資格
受験資格 無し
受験料 インターネット申し込み:7,900円、書面申込み:8,400円
(いずれも平成27年度実績)
申込時期 インターネット申し込み期間:平成27年8月24日(月)午前10時から平成27年9月4日(金)午後5時まで
書面申し込み期間:平成27年8月24日(月)から平成27年9月4日(金)まで
(いずれも平成27年度実績)
試験日程 平成27年11月8日(日)(平成27年度実績)
試験場所 各都道府県にて実施 (平成27年度実績)
合格発表日 平成28年1月5日(火)(平成27年度実績)
試験形式 択一式、マークシート解答方式
試験科目 法令、保安管理技術
問題数、試験時間 法令 20問 60分、保安管理技術 15問 90分
合格ライン 各科目において60%以上の得点
合格率 50%程度
資格手当期待 ★★★★★☆☆☆☆☆

高圧ガス保安協会という業界団体が開催している国家試験です。よく略して「三冷」と呼ばれます。
ちょっとわかりにくいのですが、ガスに関する何種類かの資格を司っていて、そのうちの一つに高圧ガス製造保安責任者試験があり、三冷はその中の一番簡単な資格です。こんな分類になっています。

(1) 高圧ガス製造保安責任者
甲種化学 甲種機械 乙種化学 乙種機械 丙種化学(液化石油ガス) 丙種化学(特別試験科目) 第一種冷凍機械 第二種冷凍機械 第三種冷凍機械

(2) 高圧ガス販売主任者
第一種販売 第二種販売
(3) 液化石油ガス設備士

ですので、正式名称は「高圧ガス製造保安責任者 第三種冷凍機械」になるんじゃないかと思います。

この資格を持っていると、空調や冷凍機、冷媒、冷凍サイクル等、空調の仕組みや熱に関する基礎的な知識を持っていることの証明になりますので、ビルメンであればぜひ取得したい資格です。年に1回しか受験することができませんので、スケジュールをきちんとチェックして申し込みを確実にし、しっかりと勉強して取得してください。

ちなみにこの試験団体は講習会も実施しています。講習会に出席したのち、検定試験に合格すれば、11月の本試験で「保安管理技術」科目が免除されます。また、講習会で学べば「法令」科目の出題されやすい箇所が自然にわかります。
講習会についてはこちらの記事を参照
第三種冷凍機械責任者資格 講習会体験記

受験の動機

不動産業務をしている会社から、取引際のビルメンテナンス会社に出向することになったのですが、そのときにビルメンテナンス業界にはビルメン資格4点セットなるものがあって、この資格もその一つであることを知りました。ビルメンテナンス業務を行うにあたって、空調や冷凍機の仕組みや熱学を学んでいることが望ましく、それらを学ぶきっかけとしてこの資格の勉強と取得が近道であることを知って受験を決めました。

受験当初のスペック

不動産業界でPMの業務を行っていて、BMの担当者と建築設備に関する業務の連絡を取っていたことはあるものの、まったく業界未経験でした。実務経験はゼロだとお考えください。冷凍サイクルという単語があるのも知りませんでした。また、ほかのビルメン4点セットのうち第二種電気工事士だけは取得していました。

まずは、この試験に関する基本情報を収集

年に何回試験を開催しているのか、受験資格は何か、受験費用はいくらぐらいなのか、申込時期はいつ頃か等をネットで調べました。上に記載しているように、この資格の名称はややこしかったので、ちょっと情報を整理するのに手間取りましたが、年に1回試験を実施していること、過去問をしっかりと解けるようになれば合格できること、そこまで難しい資格ではないこと、がわかりました。50時間から100時間ぐらいで合格している人が多かったので、まずは100時間は確保できるようにしたいと考えていました。

また、業界団体が作成したテキストがこの試験対策としてうってつけであることを知りました。
この本です。

この本から出題されているということでした。(“この本から出題しています”というオフィシャルコメントは高圧ガス保安協会のサイトからは探せませんでしたが、過去問とこのテキストの内容を照らし合わせると実際そうなのだと思います。)

勉強を開始したのは7月上旬

自分の経験として、仕事から帰って夕食・入浴まで終わらせた22時以降はとても勉強する気になれないのをわかっていたので、休日に勉強することにしました。この資格に合格するまで何時間かかるかはわかりませんが、ひとまず100時間は確保したいなと思っていたので、7月上旬から勉強を始めました。

過去問分析から始めた

どんな資格でも過去問を10年分くらいこなして、どの年度でも9割5分程度解けるようにしていれば、本試験で上位10%程度には食い込めるという経験則があったので、この試験でもその経験則が通用するかどうか過去問分析をして確かめることにしました。
amazonで「第三種冷凍機械責任者 過去問」と検索すればこの本が最上位に出てきましたので、これを買いました。

過去6年分の過去問が収録されています。過去問10年分を収録した過去問題集はなかったので、こちらを使用することにしました。

過去問を読み進めた結果、
・また学習していないので、専門用語がふんだんに含まれた選択肢はほとんど意味が分からない
・結構似ている内容の選択肢が繰り返し出題されているので、6年分の過去問やりこみとテキストの読み込みで安定的に合格できるレベルに達するかもしれない
と感じました。

この過去問集には問題と解答解説が収録されていますが、問題に関するページは全てコピーしました。コピーした問題は年度ごとにホッチキスでまとめました。

コピーした問題に、赤ペンで答えを書き込むのが、私のいつもの勉強法です。過去問題を参考書にするやり方です。
DSC_0296 (1)
間違っている選択肢を修正します。文全体がおかしくてどうしても修正できない選択肢は目立つように×をつけて、間違って何度も目にしないようにします。(正しくない選択肢を覚えないようにする為)

これらの作業は7月に初めて、お盆前には5年分完了しました。最後の1年分は直前1か月の頃に実力試しをする為にとっておきました。作業を終えても相変わらず選択肢の意味は分かりません。

しかし、何度も過去問題集を修正するうちにどういった内容の選択肢が間違った選択肢として出題されて、そして正解はどういった内容であるかがわかりました。実質的な勉強はまだ進んでいないのに、得点力だけついてしまったようです。

作業をしながら意味が分からないなりにも解説を読みながら進めていた為、この時点で、8時間程度費やしていました。

試験3か月前からテキストを読み始めた

約3ヵ月前から上で紹介した、業界団体の発行のテキストを読み進めました。
こちらですね。


これを読み込めば大丈夫です。合格する為に必要十分な情報が詰め込まれています。このテキストに載っていないことは出題されません(恐らく)。第三種冷凍機械責任者の講習会でも使用されるテキストです。

読み進めて、予想以上に文章から実際の機器や理論図が想像しにくいことがわかりました。シェルアンドチューブ凝縮器が~とか加熱され飽和蒸気となることで~とか書かれた箇所を読んでも、?といった感じです。この試験のとっつきにくさを上げるとすれば、文章から機器や理論図をイメージしにくいことですね。ようは、意味を取りにくいということです。

そこでとった対策は

トコトンわかりやすい! 第3種冷凍機械責任者試験 完全テキストを購入

こちらを買いました。図表が割と多く掲載されており、わかりやすいテキストを作ろうという姿勢が感じ取れます。

空調・衛生・配管用語辞典を購入

用語集としてこちらも買いました。電験三種試験で、用語集を買って大変わかりやすかったので、それ以降資格試験の勉強をするときは用語集をできるだけ買うようにしています。

p-h線図、モリエル線図、冷凍サイクルの理論図を手元に置いてテキストを読むようにした

p-h線図-001

モリエル線図-001図-001


これは、かなり功を奏しました。イメージしにくい文章があればこの白図を参照して、「あ、そういうことね」と納得して進めていました。また、これはこの図に書き込んでいたほうがいいなと感じた要点やメモはこの白図に書き込んでいました。

これは清書したものですが、こんな感じ

おまけの工夫:テキストにインデックスを付けた

こんな感じです。
DSC_0294
※テキストは前のバージョンのものなので、今販売しているものと少し表紙の色が違います。
これでページが開きやすくなりました。開きたい箇所をすぐに開けるので、細かいストレスを軽減できました。

上記の工夫で、かなりテキストの読み込みがはかどりました。休日に4~5時間時間を確保して一気読みに近い状態で読み進めました。3日ほどかけて1週し、2週目は2日間で読めました。ダメ押しで3週しました。

理論的にはこれでベースができてきたと感じたので、改めて過去問の問題と解答解説を読みました。これは1日あれば4~5年分は進めることができました。過去問を読んでみてわからないことがあればテキストを参照し、それでもわからなかったりイメージできないことがあれば用語集やネットで調べました。5年分の過去問を読み込んだり、解き直したりしてどの年でもほぼ満点が取れるようになっていました。

この時点で、さらに30時間ほど勉強しており、合計で40時間弱くらい勉強していました。試験1ヵ月前くらいでこの仕上がりです。

試験1ヵ月前で、昨年度の過去問を解いてみた

実力試しとして、昨年度の過去問を時間を測って解いてみました。結果は、
法令、保安管理技術共に8割超え。ちょっとホッとしました。後は、今まで勉強したテキストや過去問を回すだけだなと考えていましたが、急に仕事が忙しくなり試験1ヵ月前はあまり勉強時間が確保できませんでした。1ヵ月で15時間程度しか勉強していません。

しかし、やることはやったという気持ちがあった為、本試験前に焦るということは特にありませんでした。

本試験では

特に難しい問題が出たとは思いませんでした。過去問をきちんとやり込んだおかげだと思いました。マークミスが無ければ合格だなという気持ちで会場を後にしました。

家に帰ってテキストを見ながら答え合わせをしてみると、
法令、保安管理技術共に9割程度正解していました。

合格発表

試験日から約2か月して合格発表がありましたので、合格発表直前まで試験を受けたこと自体を忘れかけていました。合格発表日直後にホームページで合格を確認しました。非常にうれしかったのを覚えています。

この資格を持っていると、空調・冷凍機械の構造や冷凍サイクル、熱学の基礎知識があることの証明になります。ビルメン会社の入社時にも、入社後にも役立つ資格ですので、上記を参考に頑張って取得してください。

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