記憶術の6番目、連鎖法(渡辺式記憶術では連想結合法)です。
一連のものを順番に記憶する場合に用います。既に紹介した頭文字法、ゴロ合わせ法、既知関連付け法で、順番どおり覚えていたらこの連鎖法の出番はないかもしれませんが、こんな記憶術もあるよという意味で紹介します。
他のどの記憶術よりも連鎖法がしっくりくるという人もいるかもしれませんね。既知関連付け法の場合、既知表をあらかじめ用意する必要があり、既知表も自分が挙げれるものは限りがありますが、連鎖法でつなげることができる事柄は、理論上は限りがありません。
限りがないとは言い過ぎかもしれませんが、相対的に既知表で用意している数より多いでしょう。
そういう上限がないというアドバンテージが連鎖法にはあります。
具体的には、もし仮に覚えたい対象が
「きゅうり、なす、りんご、えんどう豆、トマト、ゴボウ」だったとすると、
・野球場でバッターがきゅうりを持って打席に立って、
・きゅうりで、ピッチャーが投げたなすを打ち
・場外ホームランで飛んでいったなすが、外の観客の持っていたipad(apple社製)に当たり、
・ipadはその衝撃でバラバラのえんどう豆になり
・えんどう豆は車に引かれて、中からケチャップを出し
・通りかかった買い物帰りの主婦がケチャップに転び、ビニール袋の中のゴボウをぶちまけた
というような覚え方になります。既知関連付け法で紹介したように
一つ一つが、連想でつながっていて順番どおり思い出せるようになっています。英語名はchain systemといい「鎖のような仕組み」という意味ですね。
上の例の如く、この方法でもイメージを作るときは強烈な印象として記憶に残るような、突飛でびっくりする出来事がいいです。また、自分の体験した記憶のようにありありと想像すると一層忘れにくくなります。
実践連鎖法
では連鎖法の実践編です。
覚える対象は世界史のローマ時代、第一回三頭政治の、ポンペイウス、カエサル、クラッスス、第二回三頭政治のアントニウス、オクタビアヌス、レピドゥスです。
②紙に書き出した対象を、発音が似ている言葉で、映像化しやすい言葉に変換する
③映像化しやすいように変換した言葉を、できるだけ突飛で印象深く忘れにくいようなイメージをつけて連想のようにつなげていく
今回は
(三頭政治なので)
「ケルベロスがポンペイの遺跡をかじって荒らしている」
「大きなカエルが(ポンペイの近くのヴェスヴィオ)火山から出て来てケルベロスを握りつぶそうとした。」
「大きな倉が天からふってきて2匹を潰してしまった」
(第二回三頭政治なので)
「ケルベロスと阿修羅がケンカをしていたので、アントニオ猪木が両者に飛び蹴り」(三頭を持つケルベロスと阿修羅の2者がいて、第二回三頭政治というイメージ)
「(アンニオ猪木は)勝どきをテノール歌手の様に高らかに歌う」
「それを聞いてアントニオ猪木の背後霊が体を微動させて感動し、涙」
としました。レピドゥスが変換に苦労しました。苦し紛れに“霊微動す”としましたが、本当に苦し紛れですね。
しかし、なんだかんだでしっかり印象に残り、覚えることができました。
今回は記憶術を紹介するシリーズの⑥回目ということでこの記憶術を紹介しましたが、記憶術も使う人に合う合わないがあるようで、私の場合はこの連鎖法(連想結合法)は使いません。
一つ一つつなげて思い出していくのが苦手みたいです。その代り私の場合は、
記憶術③~頭文字法~
記憶術④~ゴロ合わせ(語呂合わせ)法~
記憶術⑤~既知関連付け法(基礎結合法)~
あたりをよく使っています。このシリーズでいろんな記憶術は紹介しますので、自分に合うもの合わないものを使ってみて判断していただくというのが一番良いと思います。
記憶術の一つ、連鎖法の紹介でした。
この記事以外にも記憶術の記事があります。よろしければ参照下さい。
記憶術①~マインドマップ~