LED以外の照明の値上がりや廃盤が続いている

法律

過去記事2020年に蛍光灯と白熱灯が製造中止になるというわけではないで書きましたが、2020年には照明器具に関するトップランナー基準が変わる見込みです。

今まではLEDと蛍光灯にそれぞれの区分でそれぞれのトップランナー基準が適用されていましたが、2020年を目途にLEDも蛍光灯も白熱灯も全てが照明器具として一つのトップランナー基準が適用される見込みとされています。

2015年の11月末頃に政府の方針が発表されて、今だ細かいところかは決められておらず、これからメーカーを交えて協議される予定とのことです。

これを受けて、一部のメディアが“2020年には実質的にLED以外は製造中止”と報じた為、他のメディアもその報道に追従する形で“製造禁止”という用語を用いて一斉に報じました。これについては誤解を招きやすい表現であり、経済産業省もホームページ上で製造中止というわけではないと見解を示しています。

製造中止にならないまでも、LEDと他の照明器具とをひっくるめて同じトップランナー基準が定められるのなら、メーカー側はLED以外は極力売りたくないですよね。それくらいLEDはエネルギー消費効率の面で優れています。

2020年までの間にメーカーや輸入業者がどういう動きをしてくるかが注目されます。

既に蛍光灯については減産の動きがみられる

三菱電機照明株式会社が取り扱い照明品目減を表明

2015年3月には三菱電機照明株式会社が電球形蛍光ランプ、円形蛍光ランプ、HIDランプ及びハロゲンランプの全機種と直管蛍光ランプ及びコンパクト蛍光ランプの一部販売終了を発表しました。

理由としては、「照明においては省エネニーズの高まりにより、LED照明器具,LEDランプへの置換が進んでおり、その為既存光源のランプについては販売数量が減少の一途をたどっている。それ故、一部の機種に関しては生産を継続していくことが困難な状況にある。
このような状況下では、電球形蛍光ランプ、円形蛍光ランプ、HIDランプ、ハロゲンランプ、直管蛍光ランプの一部、コンパクト蛍光ランプの一部について、販売を継続していくことは難しい為に販売を止む無く終了致します」ということです。

なるほど、よくわかりました。LEDが普及していくと、蛍光灯をはじめとした他の照明器具の製造量は少なくなります。製造数量が少なくなると一つ当たりに付加される製造間接費が増えますので、製造単価がかさむようになるのは止む無いことです。経済学には“規模の経済”という言葉があります。大量に製造したり、大量に販売したりすることで、一つ当たりの単価が安価となることを表し、ビジネスの世界では“スケールメリット”という言葉で表されることもあります。今回の、取扱数量が減った為単価が上がってしまったことはこういった規模の経済やスケールメリットとは逆の効果が働いた結果だと言えます。

DNライティング株式会社も価格の改定と取り扱い照明減を発表

DNライティング株式会社も2015年10月に価格の改定と取り扱い照明の減少を発表しています。

理由としては「建築、店舗などの照明市場において、LED光源の切り替えが進み、蛍光ランプの販売量は大幅に減少しています。このことは生産コストを圧迫するとともに、蛍光体の製造元が製造を中止するなど材料の調達にも影響しています。生産ラインの再整備、調達方法の見直しなど様々な努力をしてまいりましたがコストの上昇を吸収しきれない状況となり、また一部の商品の材料の一部である蛍光体が入手できなくなった為、止む無く蛍光ランプの価格改定と、一部の蛍光ランプの販売終了を致します」ということです。

ここでも規模の経済やスケールメリットとは逆の現象が起きており、一個当たりのコスト増が発生しているのがわかります。いずれの会社も2015年11月の政府方針の発表前にこうした方針を示しています。政府が2020年を目途に照明器具に関するトップランナー基準を変更しなくとも、LED以外の照明器具は自然な形で淘汰されていったのかもしれません。

こういった価格改定や取り扱い照明減の動きは今後も粛々と随時行われていくと考えられます。我々消費者としては、今では割高な印象があるLED照明が今よりももっと普及し各社の取扱数量が増えることで一つ当たりの販売単価が安くなってくれることを祈るのみです。

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