エネルギー管理士としての改善提案 省エネチューニングって知ってます?

エネルギー管理士(エネ管)

省エネが社会情勢的に求められており、建築物の運用収益の改善という目線からも必要であることは周知の事実です。
しかし、設備投資によって新しい機器を入れたり、新しいパーツを取り付けるという省エネ方法は費用がかかりますので、それが障害となって、オーナー側が省エネ実行に向けて二の足を踏むことがあるというのも事実です。

そこで、まず取り組むべしとされているのは、投資をせず運用改善によって省エネしようとする取り組みです。この取り組みのことを省エネルギーセンターでは「省エネチューニング」と呼んでいます。この呼び方は一般的に広まっているそうです。

エネルギー管理士となってからは、省エネルギーセンターが開催している省エネ事例のセミナーに参加したり、メーカーや商社が開催している省エネ事例のセミナーに参加したりしましたが、いずれのセミナーでも運用改善による省エネ方法はこの省エネチューニングという呼び方で呼ばれていました。

運用改善による省エネ手法とは

大きくは、稼働設備の間引き、設備稼働のスケジュール変更、設備の発停回数の変更によって実施されます。

稼働設備の間引き

メジャーな方法としては、通路照明の間引きがあります。照度をそれほど必要としない箇所の共用通路照明の管球を一つ飛ばしで点灯するような方法です。

4台ある冷水ポンプのうち1台を停止させるような運用も見たことがあります。

設備稼働のスケジュール変更

設備稼働と書いていますが、外調機や冷却塔の様な大きな設備だけでなく、照明設備のような小さなものも対象になります。一番簡単なのはやはり照明ですね。昼休みの1時間の消灯を徹底するだけでも一定の省エネになります。

ある商業施設では外灯が全て夜の24時までつけられている状態だったのですが、本当に必要な箇所を吟味した結果、約1/3は22時まで、約1/3は23時まで、残りの約1/3は24時までとする運用にすることができました。夜間照明の使用電力はかなりの量だったので、大きな省エネにつなげることができました。

また、空調についてもスケジュール変更によって省エネ効果を得たことがあります。インナーモールの空調は朝8時から稼働させていたのですが、その時間帯に出勤している店舗は1店舗のみでしたので、その店舗の直上の空調グループのみ8時から稼働、その他については9時から稼働という様にスケジュール変更して、大きな省エネ効果を得ました。

設備の発停回数の変更

これはどういうことかというと、1時間に10回稼働していたような設備の発停設定を変更して1時間に5回にするとか、そういう変更にしました。

駐車場に残留する排気ガス等を排出することを目的として、排気ファンを稼働していたビルがありました。設定としては60分に10回の設定だったのですが、少し回数を削れそうだったので、CO2濃度を測定しつつ1000ppmを上回らないような回数を検討した結果60分に5回が妥当という結論を得ました。

こちらも大きな省エネ効果となりました。

まとめ

投資を伴う省エネ手法は初期投資費用がかかる為、一般的にはオーナーに受け入れられ難いものです。さらに、オーナーは初期投資費用額のみならず、投資回収年数というもう一つの判定基準を持っています。

オーナー側で期待する投資回収年数は3年~5年がほとんどであり、15年や20年という期間の投資回収年数ではまず通りません。

そういったときこそ、運用改善による省エネです。エネルギー管理士の腕の見せ所は運用改善による省エネとも言えます。お金をかけずにいかに省エネを達成するか、そこがオーナーへのアピールポイントです。「自分がこの物件にいる限り、省エネにより収益に貢献し続けますよ。損はさせませんよと」とエネルギー管理士の誇りを持ってアピールすべきです。

そういった良い提案ができるように、日々5感を研ぎ澄ませて物件内を巡回するとともに、よく勉強して自己研鑽に励み省エネの腕を磨きましょう。

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