1次対応って何?ビルメンは1次対応だけすればいいの?

日常業務

ビルメンはよくオーナーやPMに口頭やメール又は報告書で現場の不具合や故障そして対応内容を伝えるときに「1次対応」という表現を使います。あまり聞きなれない言葉ですよね。文字から意味は想像できますが・・・。

この場合の1次対応の意味は、「この物件に備えられている工具や道具を使ってできる限りのことはしており、一端事態の鎮静化は図れていますが根本的に原因を改善できているわけではなくいつ再発するかわからない状況です。」という様な意味です。(同業他社で違った意味で用いられていたらスミマセン。)

例としては、天井から雨水が漏水してきたので、濡れた所を拭きあげかつ一端バケツで受けて対応しているが、雨水の侵入経路はわかっていないうえに、修繕工事を施したわけではないので、いつ漏水範囲が拡大してバケツで受けている以外のところに漏れるかわからないといった状況ですね。
この場合
・濡れた所を拭きあげた
・バケツで受けた
というのが一次対応です。
さらには、雨量が増大したときに備えて、天井の構造から考えてさらに増えそうな漏れ箇所を想定して先にウエス(機械手入れ用の雑巾)を設置したというのも1次対応になり得ます。

対応としては結構簡単なことですが、現実問題あまり専門的で深い対応はできないんです。元大工や電気工事士、空調保守業者といった職人上がりの人がビルメンとして勤務していれば別ですが・・・。

ビルメンは
・物件に用意されている工具や備品にはあまり専門的なものや使用頻度が少ないものはない
・建築、電気、空調、給排水衛生、計装、弱電といったかなり広い分野全てに関する深い知識を持っているわけではない
という理由からできることが限られています。

その中で、できることがこの1次対応なんです。よく「ビルメンは広く浅い知識を持っていないといけない」と言われます。もちろんそこで満足してしまっては、専門性が身に付かないですが、専門性を深めるのと同じくらい広い知識を持つことが大事です。

そうでないと、今まさに目の前で起きている被害を一端食い止めることができないし、一端被害を食い止めた後に修繕工事を専門業者さんに依頼するときに、専門業者さんと打ち合わせることができません。また、良心的でない専門業者さんが、本当に修繕工事が必要な範囲以外に工事が必要と説明してきたときに本当にそうなのかどうかを判定しなければなりませんし、出してくる見積もりを査定しなければなりません。

そういった観点から、深い専門知識と同じくらい広い知識が必要なんですね。
ビルメンは1次対応しかできないことを恥じることはありません。広い知識を駆使して立派な1次対応を成し遂げましょう。

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