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法律 消防法

消防査察のチェック項目、ビルメンも準備に奔走します

投稿日:2015年11月30日 更新日:

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建築物の所有者やビルメンにとって管理の襟を正す機会となるのが消防署による「消防査察」です。大規模な事業所になると毎年、その他の事業所でも数年おきに、管轄の消防署による消防査察が行われます。

延べ面積7万㎡ほどの商業施設では、1年半くらいのスパンで消防査察が行われていたのを見たことがありますし、8階建てのオフィスビルで3年ほどのスパンで消防査察が行われているのを見たことがあります。

消防査察の法的根拠

立入検査(査察)の根拠は、消防法にあります。

(消防法第4条)
消防長又は消防署長は、火災予防のために必要があるときは、関係者に対して資料の提出を命じ、若しくは報告を求め、又は当該消防職員(消防本部を置かない市町村においては、当該市町村の消防事務に従事する職員又は常勤の消防団員。第5条の3第2項を除き、以下同じ。)にあらゆる仕事場、工場若しくは公衆の出入する場所その他の関係のある場所に立ち入つて、消防対象物の位置、構造、設備及び管理の状況を検査させ、若しくは関係のある者に質問させることができる。ただし、個人の住居は、関係者の承諾を得た場合又は火災発生のおそれが著しく大であるため、特に緊急の必要がある場合でなければ、立ち入らせてはならない。

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火災予防の観点から、消防長又は消防署長は大きな権限を与えられているのがわかります。

事前通知の有無

ほとんどの場合、2週間~1ヶ月ほどに通知が入り、日程調整をしてから実施します。しかし、抜き打ち検査に来ることもあります。大きな商業施設では、年末商戦などのセール時には大量の物品が搬入されてきて、館内の避難導線をふさいだりしがちですが、そういう館内の滞留人数が多いときほど火災の際の避難導線確保が非常に大事ですので、注意喚起をする意味で抜き打ちで実施することもあるようです。

わざわざ事前通知をしてくれるのですから、消防吏員的には消防法不適箇所を是正していることを期待しています。逆に、それだけの準備期間があって是正していなければ失礼ですね。消防吏員的には「準備期間があったのに何をしていたんだ」というように思いますよね。

この準備期間にビルメンが、館内を是正して回るのですが、共用部は割と簡単に是正できます。しかし、テナント内部の是正はスムーズにはいかないことが多いです。特に、物販テナントは少しでも多くの売上を上げるために専用部のいたるところに商品を陳列しています。陳列しすぎて店内の避難導線をふさぐようなこともあるのですが、それを是正すると陳列数が減少し、売り上げ減につながる為、ビルメンが指摘した目の前では是正してくれても、ビルメンが立ち去った後には元の陳列に戻っているようなこともありました。

では、消防吏員が指摘する事項(ビルメンが事前に改善して回る事項)にはどのようなものがあるのでしょうか。

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消防査察のチェックポイント

消防署に提出すべき書類の提出状況

消防署に提出すべき書類には、防火管理者の選任、消防計画、自衛消防組織、消防設備点検結果報告、防火対象物定期点検報告等がありますが、それらの書類が適切に提出されているかどうかをチェックされます。

特に防火管理者については、古い情報になっていないか、その管理組織の中で指示権限を有する者が防火管理者となっているかをチェックしていきます。権限と責任一致の原則を鑑みると、指示権限を持つ者が防火管理者にならなければなりません。

そうでない選任状況の場合、例えば平社員が防火管理者に選任されたとき、防火扉の前に段ボールが山積みになっており、避難導線がふさがれている状況であるのを上司に報告しても、上司がその指摘を無視することもあるわけです。会社組織としての序列と自衛消防組織としての序列が合致していない為にこの様な事が起こってしまうわけであるので、指示権限を持ちその建築物内で起こったことの責任を負うべき立場の者が防火管理者になるのが一番望ましいのです。

消防署に提出すべき書類は、不足なく適正に提出されている必要があります

避難障害

専用部も共用部も通路は2m幅の主導線を確保し、避難導線の上に物品を置かないように指導されたことがあります。火災が発生すると、人は反射的に一番大きなメインの出入り口に殺到します。多くの人が一気に集まる可能性のある一番大きなメインの出入り口への避難導線は余裕をもった幅員にし、避難導線上には物品を置かないことを徹底する必要があるのです。2mという幅が消防法で指摘されている幅で全国共通なのかは定かではありませんが、言わんとする主旨は同じです。

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主導線の幅員は余裕をもった幅にし、障害となる物品は置いてはいけません。

防火シャッターの降下ライン

火災警報に連動して防火シャッターは自動で降下してくるのですが、そのときに防火シャッターの降下ラインに段ボールやマネキン、ワゴン等があるときちんと防火シャッターが降りません。防火シャッターが下まで降りきらないと防火区画を形成できない為、炎や煙が本来遮断されて届かなかったエリアまで届いて火災による被害が拡大することになります。

防火シャッターの降下ラインの上に物を置いてはいけません。

防炎製品の使用

建物内で吊るされている布は防炎製品を使用するように指摘されたことがあります。垂直1mを超える布は防炎製品でなければならないそうです。

テナント従業員が取り付けた暖簾、壁に貼りつけた大漁旗等が防炎製品で無い為に、撤去するか防炎製品の者に取り替える様指摘されました。

防炎製品であれば防炎マークが付いています。消防吏員も防炎マークが付いているかを気にしていました。

また、吊るされた布以外にもアパレルテナント内の試着室のカーペットも防炎製品であるか否かのチェックが入っていました。1㎡を超えるものは防炎製品を使うよう指導しているとのことでした。(これについては2㎡が基準となっているという話も聞いたことがあります。)

1mという長さや1㎡という面積が消防法で指摘されている基準で全国共通なのかは定かではありませんが、言わんとする主旨は同じです。

建築物内に設置する布製品は防炎製品(防炎マークが付いているもの)でなければなりません。

散水障害

スプリンクラーのヘッドの周囲には物品を積み上げてはなりません。スプリンクラーヘッドの高さから下に45cmの空間には一切物を置かないように指導されたことがあります。

今まで見た散水障害は更衣室のロッカーの上に段ボールを天井まで積み上げて散水障害になっていたり、靴を販売するテナントがバックルームの倉庫の上に同じく天井まで靴が入った箱を積み上げていたりしていたものでした。誰が見てもわかる明確な散水障害ですね。45cmという高さが消防法で指摘されている高さで全国共通なのかは定かではありませんが、言わんとする主旨は同じです。

スプリンクラーヘッドの下部には散水障害となるような物品を置いてはなりません。

感知機の未警戒区域

感知機には、熱感知器・煙感知器・炎感知器がありますが、区画(部屋)の種類によって取り付けるべき感知器がありますし、感知器を設置しなければいけない部屋の条件も決められています。感知器が適正に取り付けられているか検査するものです。

設置基準に従い、適正な種類の感知器を設置し、本来警戒すべき区域が未警戒区域にならないようにしないといけません。

避難誘導灯の目視の可否

専有部や共用部の至る所からでも避難誘導灯が見えるかどうかをチェックされました。火災が発生して停電が起こると人は避難誘導等の灯を頼りに避難しますので物品が置かれていて避難誘導灯が見えなければ、指摘の対象となります。

アパレルテナントで大きめのマネキンやオブジェが避難誘導灯障害となっており、是正を指摘されたことがあります。

避難誘導灯が視認障害で見えないことが無いように、周囲の設置物には気をつけなければなりません。

消火ポンプ室に物を置かない

消火ポンプ室を物置代わりに、普段使わないイベントのセット等を置いていたときに消防吏員に撤去を指示されたことがあります。火災発生時に炎が消火ポンプ室に及んだときに、物品が置かれているとそれに炎が燃え移って炎の勢いが増してしまいます。そうなると、消火ポンプが適正に動作しない可能性が出てきますので、消火ポンプ室に物品を置いてはならないのです。

当時は木製の舞台セットを置いていたので、結構怒られてしまいました。

消火ポンプ室に物品を置いて、倉庫代わりにしてはいけません。

まとめ

消防査察で過去指摘されたことがあるのは以上の項目です。他にも指摘事項があると聞いたことがあります。

消防査察がある度に、ビルメンはこれらの項目の是正をすべく専用部・共用部をくまなく回ります。時にはテナントに丁寧に説明して、納得してもらったうえで是正してもらうこともあります。

消防査察は、オーナー・PM・ビルマネもピリピリしている為、ビルメンにとって踏ん張りどころとなる1大イベントなのです。





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