職業訓練校物語③~入学式だヨ!全員集合~

職業訓練校

職業訓練校物語②~筆記試験と面接と私~の続きになります。

入学式

入学式が始まるまで

いよいよ待ちに待った職業訓練校の入学式がやってきました。当日は朝6時にセットしていた目覚まし時計よりも早く、自然に目が覚めました。緊張していたのだろうと思います。

これから始まる1年の勉強と実習の生活に対する期待と不安が入り混じった気持ちでした。

1年後の就職先に対する不安と期待勉強する内容の難度に対する期待と不安片道1時間の通学生活に対する不安そして約30人のクラスメイトはどんな人なんだろうという不安がありました。

朝の身支度を手短に終わらせ、7時には家を出ました。学校に着くと正門に案内紙が掲示されており、自分が入ることになる空調コースの教室の場所もそこに記してありました。

案内紙に従って階段にのぼり、4階の教室を開けると既に10名ほどの人が入って、黙想していたり、テキストを読んでいたり、机の上に置いていた職業訓練校の案内紙を読んでいたり、2~3人で雑談していたりしました。

自分も教室に入り、自分の名前が貼り付けていた机に座り、置いてあった職業訓練校の案内紙を読むことにしました。

教室の中には小学校や中学校で使っていた懐かしい形の机と椅子が30個ほどありました。

もちろんサイズは大人用に多少大きいものが設置されていましたが、ベースの形は同じですので、その机と椅子を見ると「学生時代の様に、また勉強をする為に学校へ通う日々が始まるんだ。頑張ろう」という気持ちが湧き起ってきました。

 

そうして、時間をつぶしていると次々にクラスメイトになるであろう生徒が入ってきました。

つい数週間まで高校生だったようなどうみても18歳に見えない男子生徒や、どこかの工事現場から抜け出てきたかのような30代くらいのおじさんや、第二の人生を初めに来たかのような40代後半の中年のおじさん等いろんな人がいました。

元々いるとは思っていませんでしたが、女性はいませんでした。(後々わかりますが、過去に女性が在籍して卒業したこともあったみたいですね。)

 

入学式は9時30分からでしたので、9時になったところで担任の先生達が入ってこられました。

先生は一度定年を迎えたのがはっきりわかるおじいちゃん先生と、定年間際の見た目の先生と、50歳ぐらいの先生の3人でした。

先生達による名前だけの簡単な自己紹介の後、今日の簡単な時程表を配られ、今日の予定の説明をしていただきました。

今日は午前中のみで終わるらしいことがわかり、心の中でガッツポーズをしました。

まもなく始まる入学式の為に、空調コースの全員は最上階の講堂に集まるように告げられ、ぞろぞろと皆で移動しました。

まだお互いの自己紹介も終わっていない間柄でしたので、名前を知るまでもなく、「こっちで合ってるんですかね」とか「自己紹介のときに言う内容を考えました?」とかたわいもない会話でお互いの印象を探り合うようなぎこちないコミュニケーションをとりながら、階段を上って講堂まで行きました。

自分たち空調コースが30名、そのほかのコースは
自動車コース:20名
印刷コース:20名
パソコンコース:30名
電気コース:30名
建築コース:40名
溶接コース:20名
服飾コース:20名
の合計約210名が集まっていました。

210名集まる一学年は結構な人数に見えました。自分以外の人のことは、空調コースのクラスメイトはもちろん、そのほかのコースの人の感触は全く分かりませんでしたので、ちょっと人見知り気味な自分にとっては1年を通してこの日のこの時間帯が一番そわそわする日となりました。

見た目でオラついているのは、建築コースの40名のうち何名かの10代の子らだけ。その他のコースは普通の人達の様に見えました。

建築コースのオラついている10名程度の人は北斗の拳に出てくる敵キャラの様なモヒカン気味のヘアーにしたり、スラムダンクの桜木花道みたいな赤髪にしたり、とにかく目立つ容姿で「ギャハハ、スゲーっ」などと節操なく騒いでいたので、彼らとは絶対に親しくなれないし、できるだけ関わりたくないと即座に思いました。(その人たちのほとんどは1~2ヶ月で退校し、ほとんどいなくなりましたが・・・)

いよいよ入学式が始まった

全コースの人達が行動にそろったところで入学式が始まりました。前の方に貼り付けられている式次第の通りに粛々と進められました。一番印象的だったのは校長先生の講和です。

「君たちはこの学校で技術を身に付けて、より高いレベルで社会に貢献し、そして自分たちの手に職をつけて、自分や家族の生活をしっかり送ることができるようにこの学校へ来ました。

その目的を忘れることなく1年間一生懸命勉強してください。そして、この訓練校で1年共に学ぶ仲間を大事にして、お互い切磋琢磨して支えあって卒業まで頑張ってください。」

という内容の講和をしていただきました。その通りだと思い、感動しました。頑張って勉強しようという気持ちがまた強くなりました。

その後、講演会の方のお話や生徒代表の宣誓等が粛々と行われ、1時間もしないうちに入学式が終わりました。

コースごとにまとまって退出し、元居た空調コースの教室に戻りました。そこで、15分の休憩が取られた後に各人の自己紹介をすることになりました。

自己紹介と1年間のクラスメイトになる仲間達

休憩が終わり、時間となったのでそれぞれの自己紹介をすることになりました。
担任の先生
まずは、先生から。担任の先生は50代に見えた先生で30歳までは空調のサービスエンジニアとして各地を飛び回っていましたが、30歳を過ぎた頃に恩師に説得される形で職業訓練校の教官になり、それから20年間教官をしているということでした。

この職業訓練校の管理をしているということで建築物環境衛生管理技術者の実務経験を満たし、資格試験を受けて取ったと言っていました。

副担任の定年が近い先生
副担任の先生はやはり58歳で定年間際でした。

先生は第一種冷凍機械責任者(通称:一冷)を30代の頃に取ったということでした。

その後ビルメンテナンス業務をいくつかの現場で経験した後に、縁あって職業訓練校の教官になったということでした。

副担任のおじいちゃん先生
もう一人の副担任の先生は、70歳以上でした。

日本の大手空調メーカーの役員にまでなって定年退職されたかたでした。

戦後日本の復興の最中、日本全国のいろんな施設に冷凍機やパッケージ空調を取り付けて回ったということでした。教官歴は今年で3年目ということでした。

先生たちの自己紹介が終わった後に、生徒たちの自己紹介に移りました。

青田:27歳、元コンビニ店員
池田:18歳 新卒
松木:47歳 キャリアいっぱい
中田:27歳 元航空会社勤務
永渕:18歳 新卒
浜田:18歳 新卒
森:18歳 新卒
水内:18歳 新卒
小山:18歳 新卒
都:18歳 新卒
原口:29歳 元ホテルのウェイター
梅本:30歳 元建築系の現場監督
浜本:26歳 元電気工事士
木根:25歳 元業務用冷蔵、冷凍機の営業
松山:25歳 元フリーター
吉本:25歳 元派遣社員
福嶋:26歳 元管工事職人
荒川:24歳 元管工事職人
坪内:27歳 元フリーター
優山:29歳 キャリアいっぱい
木田:22歳 専門学校卒
津川:18歳 新卒
貴志:29歳 元工場勤務
そして自分:31歳 元保険の営業マン
といった顔ぶれでした。その他にも何人かいましたが、入って数日で辞めた人はあんまり覚えていません。

皆緊張した面持ちでした。でも、みんなもいろんなことに不安で、早く友達を作りたいんだなということが見て取れました。

自己紹介を聞きながら、いろんな業界の人が来ているんだなーと何度も思ったのを覚えています。

一通り、それぞれの自己紹介が終わりました。

その後、担任の先生よりこの施設の使い方とルール、そして今後の一年のプログラムと、近々の目標である6月の第二種電気工事士の筆記試験、7月の第二種電気工事士の技能試験についての説明がありました。そ

れまで自己紹介で和気あいあいムードだったのが、いきなりピリッと引き締った空気になりました。

説明が終わると雇用保険延長の対象者に対しての延長手続きへと移りました。新卒やフリーター等対象ではなかった人たちは貰ったテキストやプリントで自習の時間です。6人くらいがその対象者でした。

職業訓練校に入る前に働いていた人でも、入校までに給付日数が残っていなければ延長対象にはならない為、前職がある人の全員ではなかったのだと思います。

この給付延長があると(人によって違いますが)月に20万円弱貰えるのに対し、給付延長が無いと何も収入が無いので、新卒を含め延長手続きができない人たちはさぞうらやましかったのだろうなと思います。

この給付延長手続きの他に職業訓練受講給付金(求職者支援制度)というものがあります。

職業訓練中に雇用保険の延長給付を受けることができない人を対象に、月額10万円の給付を受けることができる給付制度で、クラスメイトも数名が該当し、このとき一緒に手続きをしていました。

雇用保険の延長給付や職業訓練受講給付金の手続きが終わった後、その日は解散となりました。翌日からは早速授業が始まる為、すぐに家に帰って二種電工の過去問研究をしました。

職業訓練校物語④~さっそく退校者が出るの巻~へと続く

この記事の前には
職業訓練校物語①~オラ、ビルメンに興味を持っただよ~
職業訓練校物語②~筆記試験と面接と私~
があり、この次の記事の後には
職業訓練校物語④~さっそく退校者が出るの巻~
職業訓練校物語⑤~第二種電気工事士の筆記試験はみんな合格だ!~
職業訓練校物語⑥~クラス内に一瞬現れた不調和の兆し~
職業訓練校物語⑦~え、この時期に?いきなり来た有名企業からの求人~
職業訓練校物語⑧~第三種冷凍機械責任者(三冷)の合格が空調コースのメイン~
職業訓練校物語⑨~第二種電気工事士の技能対策で汗だくやで~
職業訓練校物語⑩~第二種電気工事士の技能試験は全員合格ではなかった~
職業訓練校物語⑪~8月9月は灼熱の実習場での実習地獄なんじゃ~
職業訓練校物語⑫~技能祭(文化祭)があるって知ってた?~
職業訓練校物語⑬~調子に乗って三冷ではなく二冷を申し込んだら先生に激怒されるの巻~
職業訓練校物語⑭~冬休みで怒涛の勉強の日々の疲れを取ったのさ~
職業訓練校物語⑮~年が明けたら就職活動が本格化!皆の就職先は決まったのか?~
職業訓練校物語⑯~感動の卒業式、ありがとう!行ってて良かった職業訓練校~
があります。

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