年収アップ?独立して個人で保安管理を行っている事例の紹介

第三種電気主任技術者(電験三種)

第三種電気主任技術者を取得した後には、会社に就職して定年まで勤め上げるだけでなく、独立して電気設備の保安業務を行うという選択肢もあります。

電気設備という建物の中の重要部位を保安管理する責任ある職務である為、まずは十分に経験を積む為に会社組織に入るほうが賢明だと言えます。

しかし、そこで何年か経験を積んだ後には独立して電気の保安業務を請け負うこともできます。

事例の紹介

サラリーマンじゃなかった電気主任技術者

私はテナントが180件ほど入っている商業施設に常駐して仕事をしていたことがあるのですが、そのときに高圧電気設備の月次点検と、年次点検の点検報告書を毎回持ってきてくれる、その物件担当の電気主任技術者の方と時折話す機会がありました。(以降Aさんと呼びます。)

Aさんは60歳くらいの方だったのですが、名刺には○○電気という組織名がありましたし、点検報告書もその組織名で出されていましたので、てっきり会社員でその組織に雇われているのかと思っていたのですが、ふとした雑談の中で、そうではなく独立した電気主任技術者が集まって組織体を成しているだけで、それぞれが一人親方のように稼いでいるということでした。

つまり実態としては独立していたわけですね。電気主任技術者はこんな働き方もできるのか、と感心しました。

独立している主任技術者に話を聞いてみた

会社勤めでなくとも電気主任技術者として仕事ができるということに凄く興味が湧いたので、Aさんにいろいろ聞いてみました。以下は会話の内容です。 実際交わした会話そのままではないですが、概ねこんなやり取りでした。

Q:年収っていくらぐらいですか?
A:大台(1千万円)の近くですよ

Q:Aさんの元々の職業はどんな職種だったのですか?
A:ゼネコンにいました。

Q:なぜ電気主任技術者の資格を取ろうと思ったのですか?
A:ゼネコンで工事担当をしていた時に、会社の業績が悪くなった時期があり、会社は早期退職を募集していました。そのときには会社の将来と自分の将来に既に不安を感じていたことがあり、第三種電気主任技術者の取得に向けて勉強を開始していました。 試験も近づいた頃に、一人で複数物件の電気保安業務を請け負っている人の話を聞く機会があり、いろいろ話を聞かせてもらいました。話を聞いた後に次の試験で受かったらゼネコンを退職してその道を進もうと思いました。

Q:最初から独立されたのですか?
A:最初から独立していたわけではありません。最初は自分に電気保安業務の話しをしてくれた人の下で働きました。収入は多くはありませんでしたが、経験を積む為だと思って数年辛抱しました。その後、その人のお客を少し分けてもらう形で独立しました。

Q:転職は成功だったと言えますか?
A:以前の職よりも専門性が高まったので、手に職をつけたという実感が強くなりました。会社組織に頼らなくても生きていけるという気持ちがあり、大変安心しています。収入はあまり変わっていませんが、会社組織にいる時に比べて、定年がありませんので健康である限りずっと働けるのが嬉しいですね。転職に満足していますので、私は成功だと感じています。

Q:一人で電気保安業務を請け負われることのご苦労を教えてください。
A:一つは、長期休暇を取得し、旅行などに行きにくくなりました。電気保安業務を請け負っている先は複数ありますが、どこかの施設で停電や他の電気トラブルがあったときにはすぐに駆けつけなければならないためです。同じ業界の知人に、「何かあったときは頼む」と事前に頼んでおけば行けない事もないのですが、あまり人任せにはしたくないのでやはりできるだけ旅行は控えてしまいます。

もう一つは、夜の仕事が辛いですね。電気設備の法定年次停電点検はほとんど夜から深夜にかけてに実施されるのですが、私も60歳が近づいていますので体力が無くなっており、深夜業務を辛く感じています。毎月2回程度どこかで深夜の停電点検を実施している為、体力的に大変ですね。今、30代の息子が電気主任技術者の資格を取って仕事を手伝ってくれ始めているので、少しずつ深夜の停電点検は息子に任せようと考えています。

あくまで選択肢の一つとして考慮

いかがだったでしょうか。最後の独立に伴う苦労の点では、一人で仕事する自由さにはそれなりの代償が伴うのだなぁと考えさせられました。独立志向が強い人はそれぐらいの代償を伴っても、自分の力で収入をどんどん伸ばせる道を選ばれるのも良いのではないのでしょうか。いずれの道を選ぶにせよしっかりリサーチしたうえで進むことが肝要です。

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この勉強法で合格!電験三種合格体験記
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